【ザリガニの鳴くところ】 | シネフィル倶楽部

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洋邦ジャンル問わず最新作から過去の名作まで色んな作品ついて、ライトな感想や様々な解釈・評論を掲載orつらつらと私「どい」こと井戸陽介の感想を書く場にしたいと思います!観ようと思ってる作品、観たい過去の作品を探す時とかの参考書みたいに活用してもらえればと♪

NEWオススメ作品(※ネタバレあり)

 

「真相は、初恋の中に沈む───」

 

いいキャッチコピーですね。

 

宣伝ではどんでん返しを謳っていますが、それ以外のところも非常に魅力的な作品です。

 

『Where the crawdads sing』

[邦題:ザリガニの鳴くところ]

(2022)

 

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■『ザリガニの鳴くところ』あらすじ

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1969年、ノースカロライナ州の湿地帯で、裕福な家庭で育ち将来を期待されていた青年の変死体が発見された。

 

容疑をかけられたのは、‟ザリガニが鳴く”と言われる湿地帯でたったひとり育った、無垢な少女カイア。

 

 

彼女は6歳の時に両親に見捨てられ、学校にも通わず、花、草木、魚、鳥など、湿地の自然から生きる術を学び、ひとりで生き抜いてきた。

 

そんな彼女の世界に迷い込んだ、心優しきひとりの青年。

 

彼との出会いをきっかけに、すべての歯車が狂い始める…。

 

 

映画『ザリガニの鳴くところ』公式サイトより)

 

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■全体評

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全米で大ベストセラーになった小説を、女優でありプロデューサーでもあるリース・ウィザースプーンが旗を振って映画化した作品。

 

非常に面白かったです。

 

宣伝でどんでん返しを謳っており、そこに惹かれ観に行きました。

 

確かにラスト数分のそのどんでん返される部分もドラマチックで面白いんですが、個人的にはそこまでの過程ーーー主人公がサバイブしていく様や彼女を取り巻くドラマやラブストーリーが非常に面白かったです。

 

 

壮絶な人生を生きる彼女を、気づけば観客誰もが応援してるはず

幼少期の境遇が観ていて辛いんです。。。

 

 

それでも少しずつ良くなる状況、でもそこにまた覆い被さる暗雲。

 

幼な子が必死に生き残ろうと知恵を絞る姿がもう苦しいやら、眩しいやら、切ないやら。

 

 

主演の女優さんであるデイジー・エドガー・ジョーンズがまぁ魅力的!

 

映画全体を包む「ずっと次が気になる感じ」。これを醸成してるのは物語の力だけでなく、彼女自身の魅力も多分にあると思います。

 

 

まだ出演数は少ないですが、今後どんな作品で選ばれるか、そして選ぶかが非常に楽しみです。

 

 

物語としての仕掛け(どんでん返しの部分)は非常に巧いですね。

 

これまで彼女を苦しめてきた偏見(固定観念や印象論)を逆手にとって彼女は完全犯罪という復讐を果たしたわけですから。

 

 

ロジカルに考えれば騙されることはないんですが、その応援したくなる気持ちや同情という心理もある種、観客にバイアスとなって働いており、劇中の陪審員や弁護士同様、映画冒頭から騙されているとも取れます。

 

 

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■予告編

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