※ネタバレはありません
『Venga! Venga!』
大泉洋が声の主演を務めている、ロードレースを描いたアニメ。
スタジオジブリの画だけど、ジブリ全く無関係の面白い夏の作品をご紹介♪
夏にオススメのアニメ映画です。
スペインの自転車ロードレース、ブエルタ・ア・エスパーニャを舞台に、主人公が解雇の危機や、かつての恋人と兄の結婚という複雑な思いを抱きながらも、プロロードレーサーとして「仕事」に取り組むさまを描いた「茄子 アンダルシアの夏(以下、アンダルシア)」。
そしてその続編であり日本を舞台にした「茄子 スーツケースの渡り鳥(以下、スーツケース)」は劇場公開されておらず、2007年にOVAとして発売されたものになります。
(※OVAとはオリジナル・ビデオ・アニメーションの略で、発売またはレンタルを主たる目的として作られるアニメ作品の事です)
ちなみに、続編には山寺宏一がメインキャストとして配役されています。
「アンダルシア」は後半の市街地に入ってからの激戦が見ものです!
あとはゴール直前のシーン、わざと画を荒くしているのも手に汗握らせる効果に繋がっています。
本編それぞれ47分と54分ととっても短いので、手軽に観れる作品です。
主人子は、ベルギーの自転車レースチーム「パオパオ・ビール」の選手であるペペ・ベネンヘリ。
また、『Venga! Venga!』スペイン語で『来い! 来い!』という意味。
日本語では『頑張れ!頑張れ!』という意味ですね。
作中よく登場するので覚えておくと楽しいと思います。
そんな茄子シリーズのあらすじを軽くご紹介。
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■『茄子 アンダルシアの夏』あらすじ
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南スペイン、アンダルシア地方。
世界3大自転車レースのひとつ「ヴェルタ・ア・エスパーニャ」の真っ最中。
やがてさしかかる故郷の村を目前に、チーム“パオパオ・ビール”のアシスト選手、ペペ・ベネンヘリの胸には様々な想いが去来していた。
幼い頃に自転車を取り合った兄・アンヘルとの確執やその兄に奪われた元恋人・カルメンへの想い、更にスポンサーからの解雇通告…。
そして今、ペペはアンヘルとカルメンの結婚式が執り行われている村を通過した。
そんな彼に監督から意外な指令が下る。
チームのエース、ギルモアがアクシデントでリタイアした為、敵チームのペースを崩すべく独走していたペペに勝利を託すと言うのだ。
残り12km、渾身の力を振り絞って自転車を駆るペペ。ジリジリと迫り来る先頭集団。
果たして壮絶なレースの結果は────?
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■『茄子 スーツケースの渡り鳥』
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今度の舞台は日本────。
チーム・パオパオビールは日本で開催されるレースに参加することになった。
その頃、ペペの同僚のチョッチの練習仲間で、かつて世界選手権を制したこともある名選手、マルコ・ロンダニーニが急逝する。
悲しみの中、ジャパンカップが行われる日本・宇都宮へとチームは向かう。
果たしてチーム・パオパオはレースに勝つことができるのだろうか?
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■製作・タイトルについて
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この映画「茄子」ってタイトルはかなり奇異、というか変わってますよね(笑)
アンダルシアの茄子の漬物の事で、物語の冒頭にも登場し、エンディングでも地元の名物としてキーとなっていますね。
そもそも原作漫画のタイトルが『茄子』なんです。
だから映画のタイトルもそれを引き継ぎ、『茄子~』となっているんです。
で、その原作漫画の大ファンの一人が、かの宮崎駿さん。
『茄子』の単行本の帯に推薦文を書いたり、ジブリのスタッフが黒田硫黄にファンレターを送ったりと交流があったようです。
そのジブリで、作画監督というか宮崎監督の右腕として働いていた高坂希太郎さんという方が本作の監督です。
監督の高坂さんは、自身もロードレーサーであるので、そのこだわりというか勝手知ったるロードレースに対する演出が随所に見られますね。
その高坂さんに原作漫画を読むよう勧めたのが、宮崎監督だったそうです。
しかし前述のように本作の制作会社はマッドハウスであり、スタジオジブリは制作に一切関与していません。
まぁ、元々ジブリで作画をしていた人の映画なので、画が似るのは必然というか(笑)
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■音楽について
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そしてそして!
個人的に夏になると本作のサントラを聴くんですが、いやー、音楽がね、とっても気持ちいい!!!
アンダルシア地方の乾いた気候を表すような、情熱や陽気さをよく表しているなーと思います。
レースシーンのアクションスコアではフラメンコの要素を取り入れつつ、本編の展開を邪魔しないメロディを紡いでいます。
エンディングテーマは今は亡き忌野清志郎が歌う『自転車ショー歌』!
これは『自動車ショー歌』(小林旭)の替え歌であり、自転車好きで知られる忌野清志郎が編曲も含め担当したものになります。
これはペペ役の大泉が出演する『水曜どうでしょう』の企画「対決列島」の中で『自動車ショー歌』が使用され、それを監督が気に入ったことがきっかけだそうですね。
♪♪自転車ショー歌 / 忌野清志郎
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■成績
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本作のすごいところがもう一つ。
それは日本アニメとして初めてカンヌ国際映画祭の監督週間に正式出品されているということ。
これって快挙ですよね♪
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■マッドハウス
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『サマーウォーズ』『REDLINE』などここでも紹介している作品の制作会社で、今ではかなり知名度高いですねー。
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■あとがき
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『茄子 スーツケースの渡り鳥』のオープニングがとにかく面白いです!(笑)
あとは下り坂や市街地でのシーン、レーサー視点で描かれてるCGアニメでのレース描写の疾走感ったらもう!!
他にはチーム戦なので、レースものならではの心理戦や集団の中での駆け引きもよく描かれており、よく出来ているなぁと思います。
是非その辺りの気持ちよさも楽しんでください♪
『Pepe!Venga!Vengaーーー!』
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■予告編
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『茄子 アンダルシアの夏』
『茄子 スーツケースの渡り鳥』
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■特集『シネフィルアニメフェスタ』
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第1弾【サマーウォーズ】
第2弾【カンフー・パンダ / カンフー・パンダ2】
第3弾【茄子 アンダルシアの夏 / 茄子 スーツケースの渡り鳥】