№2

日付：1994/4/1

タイトル：我が人生最悪の時

監督・共同脚本：林海象

劇場名：シネスイッチ銀座

パンフレット：あり（\600）

評価：－

探偵物と言えば、私らの世代は「探偵物語」＠優作さん。「俺たちは天使だ！」＠沖雅也なんてのもありました。この当時のイカした男優さん№1、永瀬正敏がハードボイルドな探偵に扮した本シリーズ。黄金町の映画館が事務所だったという以外、正直あんまり記憶に残っていない。三部作完成後はTVシリーズにもなりましたが、観たような観ていないような、、、シネスイッチ銀座で上映していたんだ。

2024年2月7日

WOWOWプライム（2024/1/25）放送分を鑑賞（30周年記念の4Kデジタルリマスター版）。

フォーライフレコードが映画製作に手を染めた最初の作品（結局濱マイク三部作含め、林監督4作品のみで撤退）。日本探偵協会推薦作品。

今はすっかり健全化していますが、当時の黄金町はまだまだいかがわしい風俗店が軒を連ねていた頃の筈。古びた映画館の2階でしがない探偵業を営む濱マイクが、たまたま助けた台湾人の若者に依頼された兄探し。横浜を舞台にした新興マフィア同士の諍いに巻き込まれてゆくお話。

鑑別所上がりの札付きの元不良で、一度キレたら手が付けられない獰猛な男だが、妹だけには頭が上がらない。ナンチャン演じる情報屋を相棒に、信じた男を救うために無茶を厭わない濱マイクを永瀬さんがカッコよく演じる。

脇には天敵の刑事や、探偵業の師匠に宍戸錠（本名で登場）を配置して、切ない人間関係を交えつつのハードボイルドの王道的展開。ダンディズムというか、世界観の創出には成功していて、粋な演出の中で探偵の分際を弁えた起承転結に纏め上げてもいる。永瀬さんが歌うエンディングテーマもイカしてます（作曲：森山達也）。

ただ、ここで描かれる浪花節的兄弟の絆や男を慕う女の描写や主人公を取り巻く人間模様があまりにもオーソドックス。そこら中に転がっていそうなエピソードで、正直観終わった後に何も残らない。卒のない、良く出来た探偵物として徐々に記憶の底に沈んでいった理由が良く判る。

全編モノクロームの本作。第1作公開時点で、横浜日劇の看板には第2、第3のタイトルが掲げられていて、当初より三部作の予定だった事が伺える。ラストで次回作の予告編まで付いていた（そのカラー映像がなかなか鮮烈で、当時も次回作への鑑賞意欲が湧いた事だろうと思います）。ただ今となっては、2作目3作目になるほど更に印象が薄くなっているのでした。

パンフレット

第一弾と明記されていました。充実したコンテンツ

・解説

・物語

・登場人物相関図

・キャスト

・スタッフ

・永瀬正敏インタビュー

・楊海平lクローズアップ

・侯徳健の唇から、その歌が出るとき　唐十郎

・プロダクションノート

・探偵とは

・黄金町ロケ・マップ

・あとがき

・第二弾予告／音楽

・クレジット