№30

日付:2015/11/28

タイトル:007 スペクター |SPECTRE

監督:Sam Mendes

劇場名:シネプレックス平塚 screen8

パンフレット:あり(\720)

評価:★★★


007/カジノ・ロワイヤル

007/慰めの報酬

007 スカイフォール


ダニエル・クレイグ演じる新生007はこれで4作目ですが、新作が公開される度に過去の作品とのしがらみの多さに悩まされる。今回もミスター・ホワイトが何者だったかなんて覚えてまへんがな(※「慰めの報酬」に登場)。


いきなりやらかして立場を失い、独り世界放浪の旅に出て敵をせん滅。最後にロンドンでもうひと暴れと、最近のスパイ物の"お決まり"に忠実な本作。つい最近も米国の諜報部 で組織解体騒動がありましたが、奇遇にも同じ憂き目にあうMI6。


007の世界をリビルドした6代目ボンド・シリーズですが、サム・メンデス監督は旧来のウィットと洒落っ気を程好く復活させて一旦は失いかけた本シリーズの魅力の一つを取り戻している。禁欲的だったボンドも島耕作並に女性にもてるは助けられるはと、堅物の印象を払拭しつつある。


一方で、今度はスパイ物としての息詰まる攻防や丁々発止のやり取りを失わせてしまった。虎穴に入らずんば虎子を得ずとは言うものの、本作のボンド君はあまりにも無防備に敵の正面玄関の門を叩き過ぎる。でもって危機を乗り切るプロセスが誠にお粗末。4人も名を連ねた脚本家陣営は一体何を推敲したのだろう。


ようやくMI6側の主要なキャラクターが揃った前作に続き、宿敵の名を冠した最新作に大いに期待もしたのだけれど、正直期待を下回った。親子と幼馴染の因縁は大した意味を持たず、謎は再び次回作以降に持ち越された。

一層人間関係が複雑になった本シリーズ。もはや一話完結とも言い難くなってきた。果たして最終章を迎える気があるのか、D・クレイグは最後まで付き合ってくれるのか、サム・メンデスで大丈夫なのかと、心配が尽きません。


SPECTRE

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