№19

日付:2015/8/1

タイトル:バケモノの子

監督・脚本:細田守

劇場名:109シネマズ湘南 シアター7

パンフレット:あり(\720)

評価:★★★★

 

随分と甘っちょろい舞台設定にその世界観。身近な者の死を陳腐に盛り込み、人の弱さを安易に闇と結びつけるプロローグ。渋天街でのお気楽な修行の日々を経て、蓮(九太)は立派に成長してみせる。

 

 

しかしながらこの甘っちょろさを容認出来るのがアニメーションの世界。細田監督は作品作りにおいて確信犯的に注力するポイントを仕分けている気すらする。

 

今回も監督が魂を吹き込んだキャラ達はいずれも生き生きと躍動し、陰に日向に心通わせる。そんな彼らが守り、救おうとする大切なものに親子で共鳴した結果、二人とも全く同じポイントで嗚咽を漏らす事に。夏休みに親子で観に行くに相応しい作品というのも監督の目論見通りなのだろう。

 

この世界を支えるアニメーションという表現手法に詰め込まれた細田イズムには、一度見ただけでは見逃している多くの魔法が存在している筈。実在の街並みを精緻に再現したり人の往来をまるでモーション・キャプチャのようにトレースするようなやり口も、アニメーション本来のダイナミズムからは一番遠い所にある筈なのに、このお伽話を構成する舞台装置として見事に機能している。

 

観終わった途端、娘が「パパ、もう一回観てもいいよ」と言った。もちろんOKだぜ!

 

バケモノの子

 

バケモノの子

 

バケモノの子

パンフと
バケモノの子 バケモノの子

チラシ2種