№31

日付:2014/12/20

タイトル:ベイマックス(日本語吹替版) | BIG HERO 6

監督:Don Hall, Chris Williams  制作総指揮:John Lasseter

劇場名:TOHOシネマズ小田原 SCREEN 2

パンフレット:あり(\720)

評価:★★★★★


少年とロボットの心温まる交流を描いた作品なのかと思っていたら、それはその通りなのだけれど予想外の展開。原題が「BIG HERO 6」というタイトルなのだと知ってなるほどなと。原作がマーベルコミックス作品だと知って更に合点がいった。

 

早熟な少年Hiro Hamadaを見守る兄Tadashiの優しい眼差し。兄が残したユーモラスな動作を信条とするケア・ロボット、ベイマックスに日本のスーパーロボットが伝授した必殺技。Hiroとベイマックスの間に生まれる絆と、大事な人を守る為に発動する自意識の目覚め。

 

 

BIG HERO 6
 
BIG HERO 6
Hiroのプレゼン、最高!

 

作品の世界観は大人も子供も楽しめるピクサー流の粋なドラマ性を保持しつつ、米国流アニメーションの伝統に日本のロボット・アニメとマーベルのヒロイズムを見事に融和させ、アニメーションの多様な楽しさを詰め込む事に成功している。私なんかは通勤途上の見慣れた風景が新鮮に去来する架空都市"San Fransokyo"の景色だけでウルウルしてしまった。

 

 

BIG HERO 6

 

BIG HERO 6

 

BIG HERO 6


彼らが自社の作品に取り込んだ他社素材への敬意の払い方がハンパなくて、オマージュに溢れるそのディテールがそのまま作品のクォリティの高さに結びついている。エンドロールの後に用意された、本家マーベルを凌ぐかのようなオチも見事。

 

日本人を主人公にしたマイナーなマーベル作品を下地に"クールJAPAN"のエッセンスを高い純度で凝縮し、ピクサーの流儀で血を通わせた本作品。ここ最近続く秀逸なるプリンセス物同様にアニメーション史上に残る傑作の1つだと思います。

 

BIG HERO 6

 

BIG HERO 6

 

パンフレット
BIG HERO 6
チラシ
BIG HERO 6 BIG HERO 6 BIG HERO 6


 

№30

タイトル:愛犬とごちそう(日本語吹替版) | FEAST

監督・脚本:Patrick Osborne  制作総指揮:John Lasseter

評価:★★★☆


食い意地の張った小型犬の目線で、彼の拾い主の人生の移ろいを描写。利害の一致しないご主人の恋路に一肌脱ぐ姿が健気で愛しくなります。それにしても、6分の作品にこれだけの起承転結と喜怒哀楽を籠める事が出来るその制作姿勢には脱帽するしかない。

ディズニー/ピクサーの短編をまとめてブルーレイで発売して欲しくなった。

 

監督のパトリック・オズボーンはこれが初監督ながら、「紙ひこうき」「ベイマックス」のアニメーション・チーフを務めた人物らしい。本編の「ベイマックス」同様に米国流アニメーションの醍醐味が遺憾なく発揮されていて、改めて選手層の厚さを実感。

 

日本でも同時上映にこういう形で短編を併映して、若手に機会を与えるといいのに。

 

FEAST
 
FEAST