№27

日付:2014/12/11

タイトル:ショート・ターム | SHORT TERM 12

監督・脚本:Destin Daniel Cretton

劇場名:109シネマズ湘南 シアター8

パンフレット:あり(\800)

評価:★★★


ティーンエイジャーをケアする短期保護施設"ショート・ターム12"(この数字はおそらく「12ヶ月」という期間を表している)を舞台にした作品。


傷ついた子供達と、かつて傷ついた子供だった大人を中心に、ここで描かれるのは彼らの日常。慎ましく、時にエキセントリックで、時に事件性を孕んでいて、彼らの日常は大人達と観客に緊張感を与える。

この施設の大人達は時に力づくで彼らをねじ伏せる一方、施設の外に1歩でも出たら彼らに触れてはならないというルールにも従う。決してその手を掴むことなく、ただひたすら彼らの後を追う。そういった欧米流のスタンスというか職業意識みたいなものが我々日本人にはとても新鮮であったりする。邦画と違ってこの手の作品が笑いやお涙頂戴に依存しないで済む理由の一つでもあると感じます。


子供達の演技は瑞々しさに溢れ、主役のケアテイカー(世話役)、グレイスを演じるブリー・ラーソンは若き日のジョディ・フォスターを彷彿とさせる。グレイスの恋人メイソン(ジョン・ギャラガー・Jr.)の優しさが、秋の木洩れ日のようにこの作品の温もりに繋がる。


監督のデスティン・クレットンが自身の体験を基に制作した同名の短編映画を長編化。作品に登場する新入りスタッフのネイトが、彼自身をモデルにした登場人物だとプロダクション・ノートに書かれていたけれど、これが実に感じの悪い奴なのです(笑)。

世界各地の映画祭で称賛されているようですが、その理由は良く判る。脚本もこなす監督の力量が長編2作目にして程好く花開いた印象です。


SHORT TERM 12

SHORT TERM 12

SHORT TERM 12
付録付きの豪華版パンフ(\1,500)もあったけど、こちらは通常版