№23

日付:2014/11/1

タイトル:小野寺の弟・小野寺の姉

監督:西田征史

劇場名:109シネマズ湘南 シアター4

パンフレット:あり(\720)

評価:★★☆


色々と批判もある製作委員会方式だけれど、日本の映画を面白くしたのは間違いない。それは映画界の没落を嘆いていた70~80年代の作品達と今を比べれば明白で、個人的には熊澤尚人、井上春夫、内田けんじ、荻上直子、飯塚健、中野量太、、、と次回作が気になる監督が大勢いたりもする。彼らの作品の多くもまた制作委員会方式で生まれている。昔に比べ独り善がりな作品が減り、売れ筋狙いなだけではない個性的な作品に出会えている現状は、才能と商売とのバランスが上手くとれている証で、今日の日本映画界はとても幸せな状況下にあるのかもしれない。撮り手側がこの方式を利用する手腕も必要でしょうが。


こちらの作品もそんな方式で制作された1本。

姉弟、兄妹が片寄せあってとか、年老いた父と行き遅れた娘とがお互いを思うが故にとか、昔からあるシチュエーションと古典的なプロットがベースにある。舞台版から共演している片桐さんと向井君の息の合ったボケとツッコミがクスクスとした笑いを全編に振り撒いてくれる。


うちの女性陣の満足度は高かったそうですが、私は姉に片桐はいりという個性派女優を、弟に向井理という二枚目男優をという配役が、この作品で描かれるべき日常のペーソス感を削いでいるようにしか思えなかった。極々ありがちな二人の恋の顛末も、二人を取り巻く市井の人々の持ち味も、濃すぎるキャラの姉と寝癖頭にロイド眼鏡でも二枚目にしか見えない弟の二人に全部カバーさせているような。これでは商業映画と変わらない気がしてしまいました。


小野寺の弟・小野寺の姉
 

小野寺の弟・小野寺の姉