№22

日付:2014/9/27

タイトル:ジャージー・ボーイズ | JERSEY BOYS

監督:Clint Eastwood

劇場名:109シネマズ湘南 シアター3

パンフレット:あり(\720)

評価:★★★☆


オールディーズって僕らの世代からすると1950~60年代の「アメリカン・グラフィティ」で垣間見た時代の音楽なのだけれど、今の若い子達にとっては70~80年代がそれに該当するのではと思ったら、そんな風にスライドするもんではないらしい。定義上は1950~60年代という固定された時代の良質なポピュラー音楽を指すジャンルなのだそう。

本作品に登場するフォー・シーズンズは、その息の長さからこのジャンルに入れづらいグループなのかもしれないけれど、さすがに"Sherry"からはオールディーズの代表格的な風格が漂う。それ以外にもタモリ倶楽部のテーマ曲"Short Shorts"やベイ・シティ・ローラーズの持ち歌だとばかり思っていた"Bye, Bye, Baby (Baby Goodbye)"、映画「グリース」のテーマ曲("Grease")にディスコでお世話になった"Can't Take My Eyes Off You"と、いずれもフォー・シーズンズ関係者による曲の数々だった事を改めて知る事となった。


「トニー賞受賞のブロードウェイ・ミュージカル、60年代から70年代を中心に活躍したニュージャージー出身の4人組ヴォーカル・グループ、フォー・シーズンズの栄光と挫折の物語をクリント・イーストウッド監督が映画化」した作品である事くらいは事前にインプットして観に行かないと、この作品の基本ルールが判らず戸惑う事になる。フランキー・ヴァリ役のジョン・ロイド・ヤングは冒頭とても16歳には見えないし、その歌声にもピンとこない。不良少年達の"成り上がり"ストーリーを描いた作品としては、映画として成功していないようにも思う。


ただそんな事はもはやこの監督の作品にとって、彼の作品のファンにとって些細な事でしかない。ブロードウェイ作品の映画化にあたっての彼の試みは見事に功を奏し、いつもの"イーストウッド・ブルー"がスクリーンに映え、音楽に造詣の深い彼らしくそのステージ・パフォーマンスは最高にイカしている。「君の瞳に恋してる」を歌うシーンでは不覚にも涙が溢れ出た。エンディングのカーテンコール(?)の粋な演出にも痺れます。


公開初日のこの日、観客の多くはまさにオールディーズを現役で聴いていた世代とお見受けする方々ばかりで少々驚いた。観客がこの作品に何を求めて観に来たかによって評価がかなり別れるのではなかろうか。

かく言う私は家に帰って、錚々たる歌手がカバーした"Can't Take My Eyes Off You"を聴き比べた。

The Four Seasonsにオリジナル・サウンドトラック、Boys Town Gangにグロリア・ゲイナー、フランク・シナトラにアンディ・ウィリアムス、シーナ・イーストン、バリー・マニロウ、MISIAにミシェル・ファイファー・・・・

この曲のコンピレーション・アルバムでもあったら買いたくなってしまった。


JERSEY BOYS
JERSEY BOYS

JERSEY BOYS
レコードサイズのパンフレットはスキャナーで読み取れず