№20

日付:2011/8/14

タイトル:カーズ2 | CARS 2

監督・原案:John Lasseter, Brad Lewis

劇場名:TOHOシネマズ小田原 SCREEN 3

パンフレット:あり(\600)

評価:★★★☆


"擬人化"とは、アニメーションにおいての常套手段であり、本来それを面白さの源としてアイデンティティを創出してきたにもかかわらず、いつしか人の動きをそのまま移植する事でリアリズムが生まれるかのような大きな勘違いがこの表現手段を席巻する事となりました。


ピクサーという集団は、そんなアニメーション作りの現場の気の迷いを、王道的な手法と米国アニメらしいセンスをもって吹き飛ばしてくれた点において、まさに救世主的存在だったのだと思います。


そんなピクサー・アニメーションの盟主であるジョン・ラセターが自ら監督した本作品。巷の評価がもうひとつなのに加えて、そもそもこの人のフィルモグラフィーを見ると、自身が監督した作品など限られている。しかもその監督作品が私にとってもう一つ心に染みていない事で、危うくこの日はこっちじゃなくて「こちら亀有公園前派出所」にするところでした。


前作をTVだかDVDだかで観た際に感じたのは、車を擬人化するという「機関車トーマス」的手法が「大人も子供も楽しめる」ピクサー作品にとって、あまりに子供寄りだという点に関する不満。擬人化も、ここまでくれば大人にとって「童心に帰る」以前の問題として感情移入に限界を感じました。



「カーズ」の世界にスパイ物のエッセンスを盛り込んで、手も足も無い登場人物たちに派手な立ち回りと文字通りの"カーアクション"を披露させるこの監督の手腕に、もう脱帽です。

子供騙しどころか、子供がついてこれない事を心配してしまうような下地作りに裏打ちされた世界観。


「大人も子供も楽しめる」とは、言うなれば「大人になっても夢が覚めない」という事。

ピクサーの作品を観て育った子供達が、大人になってもその感動を追体験出来るだけのクオリティを、当り前の事として実現しているその世界観の素晴らしさに酔いしれました。

ラセターさん、あんたやっぱスゴイわ。

Perfumeの挿入歌もイイ感じですが、私らの世代はやっぱ"You Might Think"。ちょうど大学生の頃にヒットしてましたからね~


映画の記憶・・・と記録-CARS 2
 
映画の記憶・・・と記録-CARS 2

映画の記憶・・・と記録-CARS 2

前作で伝説のレーサー、ドック・ハドソンの声を演じたポール・ニューマンが亡くなった事で、ピストン・カップは「ザ・ハドソン・ホーネット・メモリアル・ピストン・カップ」に。泣ける演出・・・


映画の記憶・・・と記録-CARS 2
映画の記憶・・・と記録-CARS 2
映画の記憶・・・と記録-CARS 2 映画の記憶・・・と記録-CARS 2


№19

タイトル:ハワイアン・バケーション | HAWAIIAN VACATION

監督・脚本:Gary Rydstrom

評価:★★★


こういうスピンオフ短編作品にも一切手を抜かないというか、隅々までウィットとユーモアに溢れていて作り手サイドの本作品に対する愛情を感じます。

永遠に愛されるであろうこちらのキャラクター達も、皆元気そうでヨカッタ。


映画の記憶・・・と記録-HAWAIIAN VACATION