この作品も来シーズンの「赤の50本」の上映から外されているため、今回鑑賞できて良かったです。 本当に良かったです!
慎ましやかで、信仰心の篤い人々が住む寂しい村に、フランスからバベットと言う女性が亡命して来る。
14年が経ち、すっかり村に馴染んでいたバベットなのに、村を去る時は「魔女」扱い。 村人にとって、それほど衝撃的な出来事が・・!
↑この豪華な食卓と正装した人々の画を見て、貴族とか上流階級の世界を描いているのかと思っていました。
全く違いました。 でも登場人物みんなの心は貴く、この映画を観た人の気分はきっと、上流でしょう。
19世紀後半のデンマーク・ユトランド。 今の日本で言ったら限界集落のような村にある教会での、「お別れの晩餐会」だったのですね・・・。
バベットはお世話になったお礼に、自ら全て用意した、豪華な本格的フランス料理を振舞うことに。
が、調理前に見たのは、普段食べなれない食材と沢山のお酒。
バベットは、今まで信仰の下で質素に生きてきた自分達を惑わす「魔女」なのでは!?、・・と。
決して菜食主義でもなく、酒を飲まないわけではない村人たちが料理を食べた反応は、予想とはまるで違った !!
でも・・、それも含めラストまでは、バベットの恩人である姉妹の若き日の思い出が繋がっていたりして、最後の最後まで、ずーっと、ずーっと静かな感動が続きました。
~ 何処にいて、何を、どういう状況を「しあわせ」と感じるか。 それは人それぞれ、千差万別。 心の持ちよう、気持ち次第。
バベットと村の老人たちに、それを教わったような気分です。