口笛が吹けることだって・・・・ | ビバ★ネブラスカ生活

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アメリカ中西部に生息する普通の主婦の普通のレポート?!




つい先日 あるスリフトストアを物色中

店内に小粋な音楽が流れていた

私は自然に口笛を吹いていたんだけど

顔見知りの店員さんがね

“わぁ~うらやましいわぁ~ 私は口笛が吹けないから”

と言った


私はちょっと感慨深い気持ちになった


それは

・・・


長く読者でいてくださっている方なら 知っているかもしれないけど

私は25年前に病気で右顔面まひになり

脳外科の医者に もう治ることはないだろう・・・ と言われた


それは

治療に8カ月通い続けた後だった

確かに 同じ症状で私よりずーっと歳をめされた方々より

私の治りは悪かった


“これで・・・結婚もないな 私の人生終わりかな”


なんとなく そんな冷めた気持ちだった


その日 母にその事を伝えると

“これからだんだん長い時間をかけて 薄皮をはがすように良くなるわよ”


母は私にそう言った


その二年後に瞼の手術はして 普通に目が開けられるようにはなったが

10年くらいは ずーっと麻痺の違和感があったし

当然 口笛なんて吹けることは もうないだろうなぁ~と思った


・・・・・・・・・・・・・・


確かに麻痺になって15年くらい 口笛は吹けなかったと思うが

いつの間にか 私は口笛が吹けるようになっていた


本当に母が言った通り

少しずつ少しずつ 私の顔の違和感も薄れ

これが自分の顔なんだなぁ~と

普通に思えるようになった


長かったけどね


もう生涯 動かせない筋肉もあるけど

右の顔と左の顔が まだ ずいぶん違うけど

口笛が吹けるようになった私の顔は

やっぱり 25年前に もう治りません と言われた時より

少し良くなった気がする


これが薄皮をはがすように と言う事かなぁ~


口を閉じることもできず

食べ物はポロボロと右側の口からこぼれ

目を閉じることも開けることも出来なくなっていた私の顔右半分

味覚も舌の右半分は無くなった病気の後遺症





25年かかったけど

“口笛が吹けて うらやましいわ~”

なんて言われる日が来たんだなぁ~


そんな事を思った

なんだか不思議だった

口笛を吹けるって 普通なら簡単なことだって

私にすれば長い年月をかけて取り戻した機能なのですよね


本当に感慨深い出来事でした