変な時間に中途半端に寝てしまって
そして 起きてしまって
中途半端にお腹もすいて
今 サラダを食べたところです
そして
ふと 思いました
前から書こうと思っていた事を書こうかなって
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まだ 函館にいた子供の頃
冬になると ミカンを箱で買っていました
うちがいつも買っていたのは 『有田のみかん』
家族みんな果物が大好きだったので
母はいつも こんな事を言いました
『少しくらい高くても
美味しくない物は食べたくないから
これくらいの贅沢はいいと思う』
そういって 少ない家計の中
みかんは美味しい物を食べていました
みかんを食べる時
母も祖母も まずは箱の中から
腐り始めたみかんから食べていました
子供の頃は
『腐っている物がすきなのかなぁ~』 と
単純に思っていましたが
少し大人になったら 解りました
私や弟や父に
美味しいみかんを食べさせたいんだなぁ~ って
母も祖母も
いつも黙って ニコニコしながら
腐りかけたみかんを食べていました
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アメリカに住んで三年が過ぎました
我が家でもみかんは大好きで
時々 少しお金に余裕がある時
みかんが入った袋を買います
日本の温州みかんに比べれば
美味しくないけど
それでも まぁ~満足できる味です
ある時
みかんを食べようと
買ったみかんを選んでいた時
私は ふと 気がつきました
私は 色が悪く美味しくなさそうなみかんを
選んでいました
その事に気づいた時
ハラハラと涙がこぼれてきました
私の中で母や祖母が生きている
そう感じたからです
子供の頃
いや 私が大人になってからも
母や祖母は
腐ったみかんから食べていました
愛されていたんだなぁ~
大事にされていたんだなぁ~
そう思います
そして
今 私はあの頃の母や祖母のように
家族を愛しているんだなぁ~
と思ったのです
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祖母を看取り
二匹の愛猫を看取り
そして 母を看取ってアメリカに来ました
43才で初めて結婚をして
義理の息子も出来ました
三匹の猫と三匹の犬
ずいぶんと家族が増えました
やっぱり 母や祖母が居ない事は淋しいけど
でも 彼らは自分の中に生きている
すぐ側にいる
そんな事を感じるアメリカ生活
どれを食べようかと
みかんを選びながら
幸せだなぁ~と思います
そして
きっと 母や祖母も
腐り始めたみかんを喜んで食べていたんだなぁ~と
今なら解るのです
愛する家族が居る
守るべき物があるという事は
何にも替え難い事だなぁ~って
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