前回の続きとなります。

 

 

引き続きコリン・コバヤシさん著『ゲランドの塩物語 ─未来の生態系のために─』です。

 
 

 

塩田と野鳥

ゲランド塩田では、野鳥だけでもその種類は一七九種以上におよぶ。なかには絶滅の危機に瀕している種も発見できる。そのうち、七二種類が塩田で巣を営んでいる。だからゲランド塩田は鳥の聖地でもある。塩田を歩き回る野鳥たちの存在は、かならずしも塩の生産にとって都合のいいものではない。自然と人間の共生とはいっても、そこには常に自然との格闘があり、自然や野鳥を保護することで、自動的に人間にとって共生のパラダイスが産み出されるわけではないことを教えてくれる。とはいっても、野鳥が水浴時にまき散らす羽根や羽毛以外には、湿地帯に棲息する鳥たちが与える害はさほど塩田作業にとって障害とはならない。 そして大半の塩職人は、野鳥を眺めながら仕事をするのが好きだ。

野鳥の棲息多様性は、フランス国内で最大の湿地帯カマルグ、第二のグランド・ブルイエールについで、ゲランドは三番目にランクされる。面積比率から比較するなら、いちばんといえるかもしれない。塩田の開発が確実に野鳥の多様性を保護する結果となっていることを示す観察データも提出された。

ゲランド塩田は、国が定めた「エコロジー・動植物自然保護地区」の第一カテゴリーに登録されている。ヨーロッパ連合(EU)で規定された貴重種にあたる野鳥が六種、ラムサール条約に登録された四種が棲息する。アジサシ、チュウヒ、ゾリハシセイタカシギ、サギといった鳥たちだ。とりわけ、夏に現れるツグミに似た「ゴルジュ・ブルー」、冬に現れるくちばしの長「スパチュル・ブランシュ」は、世界でもこのフランス西部にしか棲息しない珍種である。これらの鳥たちの棲息が確認されて、鳥類保護地域に指定されたのである。冬には、複数のカモ類やサギたちが塩田をにぎわせる。

フランスでは、狩猟解禁は七月六日からだが、ここ塩田地帯では、収穫期、塩職人が塩田で働いているあいだは禁止されている

ゲランド塩田に生息する野鳥は179種以上です。

こちらの動画、ちょっと画質が悪いですが塩田が映っているのでセロトニン出てますね。語りがフランス語になりますが、言葉わからなくても大丈夫です。

 

 

オイエに流し込む水の音、職人がラスで塩をかきだす音、一輪車で塩を開けるときに落ちる塩のパラパラとした音、そして時々映るたくさんの野鳥の鳴き声、これが全部癒しになっているのです。

これもすべてゲランド塩田の生態系が生み出したプラス波動の循環です。

このゲランド塩田は観光客の立ち入りもかなり制限しているのだそうです。そりゃあそうですよね、ゴミを捨てられたりしたらたまりません。

5 危機にさらされる海を守る

タンカー事故の衝撃

一九九九年一二月一二日、フランスの大西洋沿岸、ブルターニュはガスコーニュ湾沖で、タンカー「エリカ」号が真っ二つに折れて沈没し、沿岸に深刻な重油汚染をもたらした。ゲランド岬は重油の漂着に直撃されたのである。折しも気候異変による台風並の暴風雨にたたられ、漏れた重油は二週間、大西洋を漂った。その果てに西海岸一帯、約四五〇キロに渡って漂着し、生態系に大きな被害をもたらした。また、調査が進むにつれて、海洋輸送の国際規制の不備と、メイジャー石油会社による輸送方法があまりにも無責任な業務構造になっていることが明らかにされた。

タンカーの海難事故といえば、一九九七年一月二日、一万九〇〇〇トンの原油を積んだ「ナホトカ」号の沈没が引き起こした日本海の重油汚染を想い出さずにはいられない。三〇〇キロあまりの沿岸が汚され、沿岸の水産業は大打撃を受け、清掃作業にのベ二〇万人近くが動員された。七四年には東京湾で、七五年には硫黄島沖でタンカーが沈没して相次いで汚染を起こし、七四、七八年に貯蔵タンクからの原油漏れが倉敷、仙台とあった経緯を考えると、わたしたち日本人にとってもけっして看過できない事故である。

フランスでは二二年前のブルターニュ北海岸であった「アモコ・カディス」号の沈没事故以来の大汚染だ。あの事故からいったい何が改善されたというのだろう。今回の事故で影響を直接受けたのは、むろん沿岸漁業、貝類の養殖生産者たちと塩職人たちだが、ほとんど同じ事故の繰り返し、同じ無策状態に、住民も怒りをあらわにした。

もっとも激怒したのは、塩職人たちと、カキの養殖をしている貝類の生産者たちである。彼らは知っているのだ。海が生命の母であることを。

汚れてしまった海岸を見て、塩職人のミッシェルはがっくり肩を落とす。「もっとも恐れていたものがやって来た。おれたちは海によって生かされてんだ。いや、おれたちばかりじゃなく、人間は海がなけりゃ生きていけないんだ。その海をこんなに汚しちまうなんて……」と、怒りと悲しみで、眼を赤くする。

ピエールは、汚れた海岸をあちこち見て回っては、悲しみに充ちた眼差しを海に向ける。

「塩田を守ることだけで十何年も必死だったのに、海から毒が来るとは」「こんなこと、あっちゃならん」を連発する。

ぺロー理事長は、ふだんは冷徹な顔を赤くして、「衛星望遠鏡ハッブルの修理に宇宙飛行士が飛んでゆく時代に、なぜ、スコップとバケツでしか処理する方法がないのか、否、なぜこんな汚染事故が繰り返し起こるのか」と語気を荒くする。 今までの塩田復興運動三〇年間の苦労が、こんなことで水泡に帰してはかなわないといった気持ちである。だから、なおさら怒りが湧いてくる。

塩田は、入江の奥にあるので、大洋の荒波の直撃は受けないものの、重油の塊はその防波堤の近くまで漂着した。 塩田に入ったら大変と、軍隊と塩職人が、入江内を腰まで水に浸かって重油の除去作業をした。

「ゲランド塩生産者集団」は、万が一を考えて、各塩田の給水口をすべて閉じ、給水路には二重のダムを一六カ所急設して、重油が入るのを防ぐ処置をとった。 しかし、収穫のために四~五月には、水の取り入れをしなければならず、一方で現在、海水の汚染が続いているので、「ゲランド塩生産者集団」と独立塩職人たちは、多くの議論の果てに、品質の安全を期して「予防原則」を守り、この年の収穫はおこなわないことを決めた。「ゲランド塩生産者集団」は、幸い三年間の収穫量を貯蔵してある。収穫が一年なくとも、販売には直接の影響がない。そもそも収穫した塩は最低一年から二年寝かせるから、今年採れた塩をすぐ売るわけではないのだ。

出荷されている塩のなかに汚染があるのではないかと勘違いして心配した販売企業が電話をしきたこともあったようだ。

しかし、そうはいっても、天候に頼りながらのそれぞれ毎回が大切な収穫だから、一年収穫できないというのは、やはり大きな被害だ。

 

海を「殺して」いるのは

「エリカ」号は、重量三万七〇〇〇トン、全長一八〇メートルのタンカーで、一九七五年に日本で建造された。 海難事故に遭っている船の大半が、建造後一五年以上のものであることは、強調しておいてよいだろう。つまり、毒性のある危険物の輸送が、ほとんどポンコツ車同然といっていいような船舶によってなされているのである。また、便宜置籍船(規制のない国に船だけ置く船)が野放しになっている。規制のゆるい国とは、パナマ、リベリア、キプロス、バハマ、マルタなどで、「エリカ」号はマルタ国籍だった。船長以下クルーはインド人で、低給料、無契約、生命さえ充分に保障されていない労働条件下で、働かせられている。こうした事実を黙認してきた国際海事機関(IMO)の責任は重いといわざるをえない。

国際海事機関(IMO)は国連の専門機関でもあります。

DSの手の者がいても全く違和感ないというかいるでしょ。

ボロ船舶での輸送、乗組員の待遇が超ブラック。こういうのもDSによる資本主義の負の遺産なのです。利益のために人件費削減とか人を奴隷だとしか思っていない会社の方針が大きな災いとなるのです。外国人を使う時点で人件費削減でしかないのです。

ホワイトな労働環境になれば、従業員たちは意欲的になり最終的な利益は上がるものです。

重油の輸送のために船を借りたフランスのトータル・フィナ(TF)社と、イタリアの船主のあいだには二十数社が介在していて、責任体系が非常に不透明である。船主はある会社に船を貸し、その会社はまた他の会社に代理で船の管理を任せるという具合に、責任が限りなく希釈されている。こうなると、それぞれの会社が自己の免責を主張し、二十数社が介在することで、責任は誰もとらないというところに行き着く。徹底した下請け構造によって莫大な収益を得ている大会社は、船や船員の安全、生態系の問題はどうでもいいのだ。利潤と競争力と企業イメージのアップ、これだけである。 実際、海運業務の実態を知りつつ、安全の不確かな船を輸送に使ったからこそ、T・F社の道義的責任が厳しく追及されているのだ。どんな言い逃れをしても、海岸を汚し、生態系を破壊しているのは、疑いなくT・F社の製品だ。 そして同社は、当初やはり自社の免責を主張していたのである。実際、現行法に照らし合わせると、T・F社は直接罰せられる可能性は小さい。だが、世論と現地の住民、環境団体などの圧力により、T・F社は自社の企業イメージ回復のために、賠償金を出すことを公約した。

現在、フランス運輸省の事故調査委員会の提出した報告書は、こうした下請け、孫請けのシステムによる責任体系の不透明性を厳しく批判し、「エリカ」号の船体検閲をしたイタリアの査定会社の検査のずさんさを指摘している。そのため、フランス政府は欧州委員会に働きかけで、今後の海上輸送の欧州全体の規制を厳しくすると力んでいる。しかし、「アモコ・カディス」号のときにも当時の大統領は、国際規制を厳しくさせると発言したのではなかったか。

海を殺しているのは、沈没タンカーの重油だけではない。毎年、じつに約六〇〇万トンの炭化水素が海にたどり着く。タンカーの油槽掃除によるものが一二〇万トン、タンカー沈没による油は二・五%に過ぎない。多くの重金属を含む毒性の強い工業排水、農薬、PCB、核産業の放射性廃液など、また魚類の乱獲が毎日のように海を殺しつつある。その証拠に、アザラシやイルカなどの海洋性動物がエイズのような抗体不全症候群にかかっている。その原因は未だはっきり突き止められていないが、おそらく海に垂れ流しているさまざまな毒性物質が抗体作用を狂わせているのではないかと疑われている。各地でサンゴ礁が大挙して死んでいる現状も、こうした危惧を駆り立てる。

確かに海は自浄力がある。ある程度の汚水も石油も、長時間かければ、バクテリアなどの菌類が有機的に浄化してくれる。しかし、海の自浄能力を超えるほど、汚されてしまった場合はどうなるのか。あるいは、長時間待っているあいだに、生態系が壊滅してしまったら、どうなるのだろうか。

トータル・フィナ(TF)社は現在のトタルエナジーズですね。

本社はフランスのパリ近郊ラ・デファンスにある多国籍企業で、石油化学の研究、開発では世界屈指だとか。

欧米の石油大企業「セブンシスターズ」というのがあります。

このセブンシスターズ及び石油界を牛耳っているのはロックフェラーです。そのセブンシスターズこのトタルエナジーズも加えて「エイト・メジャーズ」とも呼ばれるそうです。これはDSの息がかかっているでしょう。

 

セブンシスターズについてはこちらケムステというサイトで詳しく説明されています。

ロックフェラーが出てきます…。。。

 

 

 

わたしたちの高度産業社会は、すでに陸の水源の大半をだめにした。おいしいきれいな飲料水がますます少なくなりつつある。今では、すべての生命の源さえ殺そうとしている。

いずれにせよ、海洋保護は、塩職人だけではとうてい無理である。世界中の海を交通の場として利用しているあらゆる国の海運業者、それらの船を利用して危険物を運ばせている石油会社や他の化学系製造会社。また河川を通じて多くの廃液を流している工場など、また汚染は起こさないが海産物を乱獲して海の生態系を破壊している漁業者など、当事者すべての管理と実質的な自律的規制がないかぎり、海は守れない。

「ゲランド塩生産者集団」は、これから賠償金を獲得するための交渉や闘いを始めなくてはならない。

そうこうしているうちに、二〇〇〇年一〇月三一日、二度目の重大な事故がおこった。

コタンタン半島に近い沖で、毒性化学物質を積んだイタリアのタンカー「イエヴォリ・サン」が嵐で沈没した。そこはイギリスやベルギーが以前に核廃棄物をすてたのとほとんど同じ域である。海運業の具体的、実質的な厳しい規制が、今こそ求められている。

高度産業社会をつくり、地球環境を破壊してしまった諸悪の根源はDSです。

大量生産、大量流通、大量消費のための雇用、本当に必要でしょうか?

存在しなくていい業界は本当にたくさんありますね。

厳しい労働環境で苦しみ、家で料理も作れないほどに忙しい。それを解決させるために添加物まみれの加工食品が作られ、「早いうまい安い」がモットーのファーストフードや外食チェーンが生まれました。

ファーストフードチェーンの日本開業時期は1970年代です。

またこの年代です。ゲランドの塩物語でも何度出てきたことか。

1970年代は外食発展期なんですよ。その火付け役は大阪万博に飲食業界が出店したことであり、資本の自由化政策の影響でした。こういうのも政治であり黒幕はDSですね。1970年代は世界中ヤバいことだらけです。世界は繋がっていますから。

日本でファーストフードチェーンが開業した頃、遺伝子組み換え産業が盛んになったわけです。手間がかからない、安くて提供が早い食品ほどヤバいです。

そうして体調が悪くなった先に待ち受けているのは薬漬けで製薬会社がまいどあり!なんですよ。

大量生産、大量流通、大量消費の行き過ぎた資本主義のシステムで美味しい思いをするのは結局DSであり、この自然の摂理に逆らった仕組みは生態系を破壊し巡り巡って人間も苦しむことになるのです。

 

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