前回の続きとなります。

 

 

引き続きコリン・コバヤシさん著『ゲランドの塩物語 ─未来の生態系のために─』です。

 

 
 

 

ではゲランドの塩物語から引用させていただきます。

塩田の仕組みを図(資料1)で示そう。

 

 

これは潮の満ち引きをうまく利用して、水を溜め、いくつかの水田を通過させながら塩分を濃縮してゆき、最後のオイエと呼ばれる採塩池で、塩が結晶するのを待つのである。※水色の箇所がオイエ

 

工具については写真(資料6など)を見ていただくとして、

 

 

こうした生産方法がいかに職人的かを理解するためにも、以下に二つの現代製塩業と比べてみたい。

たとえば、南仏地中海の塩業は、一万一〇〇〇ヘクタールある塩田に、コンピューター制御されて毎秒一〇~一五立方メートルの海水を供給し、トラクターとベルトコンベアーで毎時二四〇〇トンを収穫するすごさである。収穫の工程は数週間で終了する。ちなみに年間収穫高は八〇万トンである。

日本のイオン交換膜式は一九七一年から始まった。工業的に屋内でおこなわれるから、天候の影響をまったく受けないこと、また製塩のため専有面積が従来の一万分の一、労働力は一〇分の一になったこと、生産量は七倍以上になったことなど、従来の塩田製法に比べれば、確かにきわめて効率の高い合理的な製造法である。

その方法はまず、海水中の塩化ナトリウムがプラスの電気を帯びるナトリウムイオンとマイナスを帯びる塩素イオンに分かれることに着目したところから、開発がはじまった。

名前のとおり、イオン交換膜を使い、プラスイオンだけを通す陽膜と、マイナスイオンだけを通す陰膜を交互に並べて海水を電気分解させ、塩分(塩化ナトリウム)だけを集めて抽出する。こうして陰膜と腸膜のあいだに濃縮された塩分の高い鹹水を取りだし、真空蒸発釜で煮詰め、結晶させる方法である。しかも、塩化ナトリウムだけを優先させるために作られた交換膜を使っているために、カルシウム、マグネシウム、硫酸イオンなど他のミネラル分は、膜を通過することができない。逆にナトリウムに類似したカリウムイオンは異常に濃縮されてしまう。またその他、生命維持にとって大切な微量元素も排除されてしまっている。海水が汚れている場合、交換膜はPCBや重金属を通過させないので、汚染を防止できるという利点はある。しかし、海のすべてが汚染されているわけではないし―そんなことになったら人間は死滅するしないのだが―、

生命維持の観点からみれば、健康にふさわしい食塩とはやはりいいがたいのである。

ゲランドの塩の塩田の仕組みと、大量生産の南仏産の塩、日本の一般的な精製塩の説明でした。出汁を取る習慣のないフランスでは、日本の精製塩など本物の塩ではないと言われております。

 

ゲランドの塩田活動の実際

ゲランドで今日実行されている技術や工具は、前世紀のものとほとんど変わるものはない。

 

むろん、ラス(塩をかき集めるのに使う、最低五メートルほどの長い棹の先に横木のついた工具)の柄の部分が木製からグラスファイバーに変わったことはあっても、ヘラ部分はやはり木製である。

 

いってみれば、何世紀も変わらずにきた過去のプリミティブな製法がそのまま生き延びていることになるが、前の節で述べたとおり、南仏に比べて弱点になっている量産困難な点、つまり太陽の光線がさほど強くなく、少しずつ結晶が進む点こそが、逆に最良の質の塩を作りだす秘訣となっている。

ゲランドの天日塩作りは、自然を熟知していないとできない仕事である。太陽の加減、風向き、その強さ、湿度、天候の移りぐあい、潮の満干などにたいして、適切な対応をしてゆかねば、塩田を運営することができなくなってしまう。もちろん、毎日定期的に塩田の水位も確認しておかねばならない。 このように、天候に非常に依存した生産方法なので、年間の収穫量は平均一万トンだが、二〇〇トンから二万二〇〇〇トンと変動が大きい。そのため、現在では「ゲランド塩生産者集団」は、三年間の塩をストックしておける塩蔵を作って、非常時でも販売量が一定するようにしている。

 

収穫のようす

収穫期は一般的に、長くても三ヵ月以上に及ぶことはない。おおよそ、六月中旬に始まって、九月中旬には終了する。

収穫する塩の種類は二通りある。「粗塩(グロ・セル)」と呼ばれる結晶体の比較的大きい多少色がかった塩と、「塩の花(フルール・ド・セル)」と呼ばれる細かい結晶で、軽くて非常に白い色をした塩である。塩の花が塩田のオイエ(採塩池)の水面に最初に浮き上がり、それをそっと掬い取るように収穫する。粗塩の収穫量に比べると一〇分の一から二〇分の一だが、純度が高いこともあって値段はずっと高い。

塩職人は、オイエの要(ラデュール)を中心に塩を集める(動画参照)。ラスを使って、オイエの床をえぐらないように上手に塩の結晶だけを、まず床からローリングするように引き離してから、ラデュールに向かってよせ集める。そしてラデュールの上に円錐形上に盛りつける。

<中略>

塩職人は夏のあいだ、ヨーロッパ独特の日の長さを利用して、ほぼ一日一二時間くらい作業することができる。塩職人はそれぞれ所有している塩田の固有の性格を知り尽くしていなければならない。だから「塩田を自分の妻を愛するように愛せ」と熟練職人は言う。「今日は小雨が降るからといって、一日、塩田を見にゆかなかったりすると、カニが水門の横に穴を開けてしまって、一五日間、収穫できるはずの塩が台なしになる」ことがあるという。だから、塩職人はいつでも出かけられるように常に態勢を整えていなければならず、塩田のそれぞれの池の状態を把握しておかなくてはならない。

天然塩は太陽と風が自然に作ってくれるものと決め込んで、昼寝などしていられないのだ。陽光の強さ、風向き、空気の湿り具合、塩田の状態、水路の状態、水の温度などに、日々気を配っていなくてはならない。また炎天下で、手早く塩をかき取ってゆく作業は敏速な動きと判断が求められる。陽光と風がうまく作用しないことには塩がうまく結晶しない。潮の満ち引きも風向きも塩職人にとって、重要な判断の基準になる。風は風でも湿気った風と乾燥した風、海風と陸風である。またそれらには強風と弱風がある。

夏のすばらしい天気が早く始まる年は、五月末頃から収穫を始めなければならないときがある。このような年は、毎日収穫を確実におこなわなければならない。

さもないと、塩田が塩の結晶でこびりついてしまって、塩田の床が使い物にならなくなるのである。

 

貯蔵と保全

塩はそれぞれラデュールに盛りあげた後、畑の脇のトレメ(塩を山積みしておく場所)までトロッコで運び、小山状に堆積させておく。

その小山をミュロンという。

 

その後は、ブルドーザーとトラクターで貯蔵場まで運ぶ。過日は馬車で運んだものだ。塩はトラックごと重量を計られた後、貯蔵倉庫(サロルジュ)にストックされるか、外部に山のように置かれ、ビニールシートをかけて保管する。

その後、一年から二年以上寝かして水分を抜いてから、ふるいにかけられ、化学処理や水洗等を施さずに梱包される。

一連の作業工程は動画を見るとわかりやすいです。

 

 

運搬はブルドーザーやトラック、ふるいや粉砕、パッケージ詰め等機械で問題ない部分は機械で行い、製塩の過程はあくまでも9世紀から行われる完全自然任せの製塩にこだわっています。

 

また収穫期以外の整備とか年間通しての作業がありますね。直接売り上げにつながらないけれど大事な作業です。

これは農業で言うと土づくりだったり除草作業などに相当します。

ゲランドの製塩業は、農業とよく似ています。

職人さんたちはこういう仕事である以上、長期の休みは取れないし、旅行とかできないですね。

塩職人が最も精を出すのは確かに夏の収穫期だから、季節労働ということもできるが、毎年、翌年のために塩田の床作りをきちんとやり、水路を灌漑し、よい状態に維持しておくことはたいへんな作業だ。しかし、この作業なしには良質の塩生産は期待できない。床がきれいに平らに整備されていないと、収穫時に粘土が混入してしまい、良質とはいえなくなるからである。

この整備の作業は年間通しておこなわれ、とくに冬から春先に大きな作業を集団でする。収穫が終わると収穫塩田(ロティ)全体を水に覆い、乾燥しすぎたり、冬の霜などで畦道や水路が痛むのを防ぐのである。

冬季にはまず溜め池(ヴァジエール)を整備する。ここに藻や海草が繁殖しすぎたりすると、除去したり、二年ごとに一回きれいに排水して洗う。この作業には平均二四日かかる。給水路(エチエ)は共有のものだから、それぞれの給水路に関係している塩職人たち皆の共同作業である。春になると、塩田を収穫できるように再整備する。 冬に満たしておいた海水をほとんど排水する。給水路の不必要になった余分の粘土質の土をかき出し、それで畦道を補強整備し、底を整備し直す。 濃縮池(ファール)を掃除する

採塩池の水を抜き、粘土質の床を汚点一つない平らな面に作り直す。そして数時間後に水を入れる。

そして、ゲランドの塩の更なる秘密が書かれています。

 

湿地帯の一つであるゲランド塩田の生態系を観察すると、単細胞の微小な植物プランクトンが発生しているのがわかる。その代表的なものが、デュナリヤ・サリナと呼ばれる海藻の一種だ。夏の塩田の採塩池オイエを見ると、その繁殖のせいで、水の色が赤っぽくなっている。デュナリヤは、生きているあいだ、また死ぬときにミネラル塩を排出する。そのミネラル塩を取り込んで結晶したゲランドの塩は、それだけマグネシウムやポタシウムなどのミネラル分が豊かなのである。また、淡いスミレのような香りと独特な風味も、デュナリヤのおかげである。

年によって、デュナリヤの排出成分が変わるので、塩の味も毎年微妙に変わるほどである。とりわけ、フルール・ド・セル(塩の花)は淡いスミレのような香りとともに、白く、味がまろやかで、とりわけ、多くの有名なフランス料理のシェフの推薦するところとなっている。それは、塩の質がいかに料理の味の最大の秘訣になっているということを示すものだろう。

塩の味が年によって変わるというのも、自然ならではですね。

これはこれで面白いのではないでしょうか。

 

採塩池の床に沈んで粒の大きな結晶する粗塩は「グロ・セル」、あるいは「グロ・グリ(灰色の粗塩)」と呼ばれ、料理一般に広く使われている。塩化ナトリウムが主体の食塩をこのグロ・セルに替えるだけで、確実に「料理の腕前が三倍くらいあがった」といわれるほど、味がよくなる。

またゲランドの塩は、地中海の塩に比べても、水に溶解しやすく、すぐ体内に吸収されるため、ダイエット上でも効果が高い。このような自然海塩が喘息や皮膚アレルギーなどにも効果のあることから、タラソテラピーや他の医療療法にも使用されている。

タラソテラピーの発祥地は実はブルターニュです。

ゲランドの塩はバスソルトとしても利用できるのだそうです。ゲランドの塩水を肌につけるとスーッと馴染んでいくのです。

それもそのはず、ゲランドの塩水を飲むと、喉が潤い保湿される感じがします。

ゲランドの塩でアトピーや肝機能が改善した話も聞きます。すごいですね。

母の喉もこの塩水で一時的に改善はされますが、根本的な解決のためには承認欲求を捨てないといけません。

反枠でイベルメクチンやアビガンの効果を理解している方でも、承認欲求の塊の人は今後不利だということです。

リチャード・コシミズさんの咳込みようを見ていればわかるかと。

 

今後のことも考えてゲランドの塩は積極的に利用したい塩ですね。

 

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