どうも、こんにちは。

 

メンヘラ、重い女の象徴としてこれほどうってつけの人物はいないという女性が歴史上存在しました。高校の世界史の授業では彼女の名は出てきませんが、大学の時に買ったこの本がきっかけで、彼女の存在を知り、そのあまりの強烈なインパクトに今でも記憶に残っています。ちなみにこの本は怖くなって手放しています。

 

 

その人物の名は、「狂女」の異名を持つスペイン女王フアナです。

 

 

出典:フアナ~狂乱のスペイン女王~

 

彼女は1479年に誕生します。母は女王イサベル1世、父は国王フェルナンド2世。

世界史に詳しい人ならご存じだと思いますが、1469年に二人は結婚し、カスティリャ王国とアラゴン王国が統合されスペイン王国が成立しました。

「イサベルとフェルナンドは同権」の王として二人で統治したことで有名です。コロンブスが新大陸を発見したのもイサベル女王の援助あってのことでした。スペイン繁栄の礎を築いた名君であると言われています。

 

フアナについては、私もかなり復習しましたが、こちらの株式会社キタック CGソリューションセンターさんのサイトの「れきしそうし」で、大変わかりやすく、しかもイラスト付きでまさに私が説明したかったことがそのまま書かれています。

まずこちらを読んでください。

 

 

その狂乱ぶりにドン引きしたかもしれませんが、他人事だと思わない方がいいです。

愛と幸福の認識が歪んでいる以上、誰もがフアナのようになり得る可能性があるのです。

フアナの愛と幸福の認識が相当歪んでいる恋愛依存症であったことは一目瞭然です。イケメンクズ野郎のフィリップに惚れたことを恋愛感情だと誤解し、愛しすぎて(執着しすぎて)おかしくなります。とにかく自分のものにしたくて自分の思い通りにしたくて仕方がなかったのです。その執着が時に嫉妬や憎しみに変わり、フィリップがしっぽを振って寄ってくるのは見返りを求めている時だけ…。激しい感情のアップダウン…どんどん精神が病んでいきます。

フィリップの死後も遺体を棺に入れ約2年間国内を彷徨う狂乱ぶりです。あんな悲惨な状態を晒すことになりました。

 

 

私なりの見解を述べたいと思います。

原因はフアナのせいだけはないです。掘り下げればフアナのインナーチャイルドをボロボロにした悪神は芋づる式に出てきます。やはり生まれた環境が悪かった。

スペインはゴリゴリのカトリック教国です。根底には二元論があります。イスラム征服からのレコンキスタを経ての統治後、その後始末も手を焼いたようです。フェルナンド2世は、キリスト教に改宗させた元異教徒たちが実際は自分たちの元の信仰を守っていたことを目の当たりにし、異教徒たちが邪魔な存在だと思い始めました。そして、スペイン異端審問をはじめます。かなり苛烈を極めたようです。

 

歴史上名君と言われた二人の王もカトリック教徒であり、数多くの犠牲の上に成り立っている。そして、名君というとまず間違いなくその子どもが暗愚だったりおかしくなることが多い。2代連続で善政を敷くのは難しいのです。


原因は、親が政務で忙しすぎてまともに子育てできないからです。

両親、特に母親の本当の愛をわからないまま育ったフアナのインナーチャイルドは幼少期からボロボロだったことでしょう。精神状態の件は祖母にもあったようで、母イサベルはそのことが気がかりだったようです。両親が国王という最高地位であれば、その権力でインチキ自己肯定するタイプの毒親でもあった可能性が高いことも想像できそうですね。

そんなフアナのパートナーですが、政略結婚という決められた結婚であっても、類友の法則が発動していました。

要するに、フアナの壊れたインナーチャイルドと同レベルのインナーチャイルドであるフィリップと強烈に惹かれ合ったのです。その衝撃をフアナは恋愛感情だと誤解してしまった。

それが彼女を転落させることになってしまいました。

そもそも、キリスト教国に生まれたこと、母親譲りの強い信仰心があったことが不幸の始まりですが、外側に依存している限り、永久に満たされることはありません。543年も前の昔の出来事にはなりますが、歴史から学ぶことも多いと思います。


しかもこの時代は脳内麻薬が発生した時代と被るわけで、強烈な脳内麻薬にやられこのような悲劇になった可能性もあるでしょう。

脳内麻薬さえなければまだまともに過ごすことはできたのかもしれません。


フアナのようになりたくなければ、地道に自己受容し、悪神との関係性を断ち切る覚悟が必要です。


恋愛感情を拠り所にしてはいけません。恋愛感情は執着感情以外の何者でもありません。