珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
ワーロック  1959年


 「ご機嫌いかがですか!水野晴郎です。今夜は久しぶりの決闘西部劇、『ワーロック』を存分にお楽しみいただきたいと思います。

 無法の町、ワーロックにマーシャル(執行官)として凄腕の男が雇われてきます。しかしこのマーシャルには評判の悪いギャンブラーの相棒がついているのですね。このマーシャルがヘンリー・フォンダ、評判の悪い相棒にアンソニー・クイン。この二人が堂々たる貫禄でしてね。そして一方、無法の群れの中にいて、やがて正義に目覚めていく。これがリチャード・ウィドマークなんですね。

 監督はエドワード・ドミトリクです。この人はこれまで『ケイン号の叛乱』などの作品を作っていたのですが、ハリウッドを襲った赤狩り旋風に引っかかりましてね、一旦イギリスに逃れ、そして再びハリウッドに復帰してこの作品を作っただけに、大衆に対するエゴイズムがギラギラと輝いて、それがまた面白いのですね。

 さぁ、久々の決闘西部劇、『ワーロック』をじっくりご覧ください。」

 

 上は、本作が「水曜ロードショー」で放送された時の水野晴郎先生の解説です。本作の見どころはたくさんありますが、一番の見どころは先生が言われている、ヘンリー・フォンダとアンソニー・クインの貫禄の演技です。これは終わりの解説で言われていたのですが、この二人が画面上ですごく大きく堂々として見えるのはカメラアングルを常に下から撮っていたからです。逆にウィドマークは上から撮り二人と対照的に描いていました。

 リチャード・ウィドマークが最初は悪、最後は正義の人で、ヘンリー・フォンダが最初は正義、後半は悪に。この配役がすごく違和感がありながらも非常に面白く、単純な決闘西部劇とは違う独特な風味を出しているのではないかと思いました。

 


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
ドロレス・マイケルス、ヘンリー・フォンダ、アンソニー・クイン


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
             リチャード・ウィドマーク


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
ドロシー・マローン


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・

珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・

珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・

珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・