「この家には悪魔がいる。父はこれ以上の屈辱に耐えて生きて行くことができない。ああ、悪魔が来りて笛を吹く」
謎の遺書を残して失踪する椿英輔子爵。以後、椿邸では、悪魔の吹くフルートの音とともに、次々と怪奇な殺人事件が発生する・・・。
横溝正史の傑作「悪魔が来りて笛を吹く」の怪奇とロマンに満ちた世界を完全映像化。戦慄のメロディとともに起こる連続殺人、その複雑に絡み合った謎の解明に立ち向かう名探偵・金田一耕助。
金田一耕助に西田敏行が扮した本作は、「私は、この恐ろしい小説だけは、映画にしたくなかった。」と、原作者・横溝正史がテレビCMに登場してPRしたという伝説があります。私も見ているとは思うのですが、残念ながら全く記憶がありません。
映画の出来は悪くないと思うし、西田金田一も悪くないと思うのですが、何か物足りないと感じてしまう作品です。
監督には、TV横溝正史シリーズの一篇『獄門島』を撮り、高い評価を得た斉藤光正を抜擢。斉藤監督は、斬新な映像美をみせようとしていますが、地蔵が血の涙を流すシーンは、TV『獄門島』で既に使用していたし、フーストシーンでネタバレ的なシーンを入れたりと、観ていて余計なシーンが目立ってしまった事で、本編がおろそかになってるように見えてしまい物足りなさを感じたのかも知れません。また、人物関係も複雑で、しっかり描ききれてなかったような気がします。
西田金田一の役割は完全に主役化され、金田一の下宿部屋など私生活を描いており、「石坂金田一は傍観者で神」に対し、「人間味溢れる西田金田一」と、対極化されて描かれている。













