珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
本陣殺人事件  1975年(昭和50年)



 かつては大名が宿泊した名家であった一柳家。当主・賢蔵(40才)は、堂々たる風格と、凛とした品格がある哲学者。賢蔵と知り合い、恋愛、強く望まれて婚約した克子(26才)。一柳家にて婚礼をすませたその夜、闇を引き裂く琴の音色とともに、賢蔵と克子の無残な死体が発見される。現場には怪しい三本指の血痕が残されていた。事件当夜は雪が降っており、外部から何者かが侵入した痕跡はない。この難事件を解決するため名探偵・金田一耕助が呼ばれ、密室殺人の謎に挑む・・・。


 高倉健が5代目金田一耕助に扮した東映作品『悪魔の手毬唄』(1961年)から14年のブランクを経て、映像世界に復活した金田一耕助。6代目金田一耕助として登場したのはなんと中尾彬でした。しかも中尾金田一はジーパン姿。予算の都合で物語の設定を現代に変更しているため、金田一もヒッピー風にしているみたいです。


 中尾金田一はみなさんの想像通り、歴代ナンバー1の偉そうな金田一だと思います!しかし決して中尾金田一は悪い出来だとは思いませんでした。作品自体、純粋に横溝文学を映像化することを目的としているため、原作に忠実で良質な金田一像、作品として仕上がっています。


 原作「本陣殺人事件」は、金田一耕助初登場作品として、金田一ファンには見逃せない作品ではありますが、私的にはこの小説が好きではありません。それはなぜかと言いますと、動機があまりにもムカつくからです(ファンのみなさま、誠に申し訳ありません)。まぁ、それはおいといて、密室トリックの部分は本当に素晴らしい!さすが横溝先生、と思いました。


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(金田一耕助)中尾 彬


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(一柳賢蔵)田村高廣、(久保克子)水原ゆう紀


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(一柳鈴子)高沢順子


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(磯川警部)東野孝彦(英心)


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(白木静子)村松英子


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         演技指導中の高林陽一監督


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本陣殺人事件のパンフレット


ATGは公開作品ごとに映画雑誌『アートシアター』を発行した。本誌は映画の完全シナリオと映画評論などから構成され、上映館のみで販売された。(Wikipedia)より



珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
「アートシアター」最後のページに載っていた、レコードの宣伝広告。

水原ゆう紀  恋のラスト・チャンス

どんな歌だったのかちょっとだけ聞いてみたいです(^∇^)