珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
北北西に進路を取れ  1959年



 思わぬことから赤の他人と間違えられた広告マンが、人違いだと主張しても聞き入れられず、ある仕事に協力しろと脅迫され、殺人容疑者にされて謎から謎を追う。隠れるところがない大平原で飛行機に襲われ、美女と絶壁に追い込まれて絶体絶命。

 数あるヒッチコック・スリラーの中の傑作中の傑作!


 サスペンス・スリラーの神様、アルフレッド・ヒッチコック監督の集大成的作品。ヒッチコックお得意の巻き込まれ型サスペンス、これまで撮ってきた作品の全ての要素を盛り込んだ作品で、集大成にして最高傑作。

 007シリーズ最高作「007 ロシアより愛をこめて」 の、イスタンブールにある聖ソフィアの礼拝堂でのシークエンスは、重要なシーンでは有名な建築物(本作ではクライマックスに登場したラシュモア山)を背景に入れるヒッチコックお得意の手法を真似、またヘリコプターのシークエンスなどは、本作の飛行機に襲われるシーンをそのまま真似たと思われます。


 ヒッチコック作品は、あらゆるサスペンス・スリラー映画の教科書と言われていますが、本作を観ればその事が本当によくわかります。また、ラブシーンの描きかたも超一流で、決していやらしくないのですが、なぜかすごくエロく見えてしまうというヒッチコックの見事な演出。まさに神業です。

 

 あと、ヒッチコックは自分の作品に必ず1シーン登場しますので、どのシーンに登場するのかを探すのも楽しみの一つですね。


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
ケーリー・グラント


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
エヴァ・マリー・セイント


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
ラシュモア山 (四人の大統領の巨大なモニュメント)

ワシントン、ジェファーソン、ルーズベルト、リンカーン


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・

珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・