珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
獄門島   1977年(昭和52年)



 瀬戸内海のほぼなかほどに”獄門島”と呼ばれる小島がある。奇妙な名の島の風物と封建的な古い因習。その中で網元の二大勢力、本鬼頭と分鬼頭が対立する”獄門島”へきた私立探偵・金田一耕助が、妖気と邪気にみちた連続殺人事件にまきこまれる・・・。


 シリーズ三作目の本作は、前二作と異なり原作を改変している。この事について市川監督と共同で脚本を担当した日高真也氏が述べている。

 「『獄門島』は横溝さんの、昭和33年の作である。『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』を書かれたのはその後だ。市川崑監督の横溝作品映画化は、新しいものから古いものへと、つまり原作者の著作歴の逆を行くことになってしまった。これは偶然である。この偶然が、プロデューサー、監督らとの脚本執筆の前の打ち合わせからスタッフの悩みの種となってしまった。と、いうのは旧作は新作の原典的な要素を持っているもので、『獄門島』のストーリー展開には、犬神的な要素と手毬唄的な要素が同居している。つまり、映画『獄門島』のあとで『犬神家ー』『悪魔ー』を発表すれば、作品としてのみごとな発展があるが、順序を逆にすると、前作の域を出ない危険性が介在するのである。」

 改変した理由は他にも述べていますが、それは観てのお楽しみ!というところでしょうか。


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・

珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
(了然和尚)佐分利信、(荒木村長)稲葉義男、(漢方医幸庵)松村達雄


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
(勝野)司 葉子、(早苗)大原麗子


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
(花子)一ノ瀬康子、(雪枝)中村七枝子、(月代)浅野ゆう子


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
稲葉義男、(鵜飼章三)ピーター、(巴)太地喜和子、(竹蔵)小林昭二


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
           (分鬼頭儀兵衛)大滝秀治


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
(清水巡査)上條恒彦、(等々力警部)加藤 武、佐分利信


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
(床屋の清十郎)三木のり平、(お七)坂口良子




 本作が上映されたほぼ同時期に、TV版横溝正史シリーズで同じく『獄門島』が放送されてたみたいです。

 実は私的には『獄門島』については、TV版のほうが出来が上かなと思っています。なぜか?と聞かれても答えに困りますが、原作を読んでない私が、映像だけで単純に観て面白いと思ったのはTV版だったからです。

 TV版『獄門島』は、後に映画版『悪魔が来たりて笛を吹く』を監督した斉藤光正が演出した作品で、本シリーズ最高の豪華キャストと完成度で絶賛された作品らしいです。


横溝正史シリーズ 獄門島  

      1977年7月30日~8月20日(全4回) 


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
(村長)河原崎国太郎、(鬼頭嘉右衛門)滝沢 修

    (了然和尚)中村翫右衛門(かんえもん)、(幸庵)金子信雄


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
(月代)梶原 恵、(金田一耕助)古谷一行

          (雪枝)立枝 歩、(花子)萩奈穂美