珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
カジノロワイヤル  1967年



ストーリー

 現役を引退し、悠々自適の生活を送っていた往年のスパイ、ジェームズ・ボンド卿(ディビッド・ニーブン)のもとへ、英米仏ソの情報機関幹部が集まってきた。話によると、国際陰謀団スメルシュの手で各国の謀報員が次々と消されており、一同はボンドに現役を復帰するよう説得にやってきたのだ。

 色仕かけ作戦を繰り出してきたスメルシュに対抗し、各国情報部は複数の影武者ボンドを仕立て上げ、かく乱作戦を決行!組織への潜入を図るが・・・。


解説

 おなじみ「007」シリーズや「チキチキバンバン」の原作者としても知られるイアン・フレミングのジェームズ・ボンド処女作「カジノロワイヤル」を豪華絢爛に味付けした不滅のエンターテイメント。ピーター・セラーズをはじめ、ウィリアム・ホールデン、ウディ・アレン、オーソン・ウェルズなど、豪華キャストが大集結。『ドクター・ノオ』の初代ボンド・ガール、ウルスラ・アンドレスも登場している。名曲「恋の面影」で知られるバート・バカラックの流麗な音楽はアカデミー賞、歌曲賞にノミネートされた。世界各国から集められた200人を超えるセクシーなボンド・ガールたちが作品を彩り、あっと驚くゴージャスな007ワールドが繰り広げられている。(DVD解説より)


 この映画、「007番外編」と軽くみられがちですがとんでもない映画です(いろんな意味で!)。まず一番驚くのが監督が5人もいることです。ジョン・ヒューストン、ケン・ヒューズ、ロバート・パリッシュ、ジョセフ・マクグラス、ヴァル・ゲストの5人。製作者のチャールズ・K・フェルドマンは、「映画製作の新しい形を目指し、監督の分業制を採用した」と語ったらしいが、実は監督が嫌気をさして次々と交代していっただけみたいです。


 また脚本はクレジットされた、ウォルフ・マンキーウィッツ、ジョン・ロウ、マイケル・セイヤーズの3人以外に、ベン・ヘクト、テリー・サザーン、ウディ・アレン、そして何と、ビリー・ワイルダーも参加しているらしいです。


 そして出演者が凄い!

 ピーター・セラーズ、ウルスラ・アンドレス、ディビッド・ニーブン、ジョアンナ・ペティット、ウディ・アレン、オーソン・ウェルズ、ウィリアム・ホールデン、ジョン・ヒューストン、デボラ・カー、ジョージ・ラフト、シャルル・ボワイエ、ジャン・ポール・ベルモンド。


 これだけのスタッフ、キャストで作られた本作の評価は、「これは無人島にでももっていって、つくった責任のある連中の目の前で際限なく上映するべき」(ロバート・マーフィー)、「勝手気ままな大混乱。引き延ばしすぎの亜流モンティ・パイソン風スケッチ」(クライヴ・ヒルシュホーン)。


 しかし、私は結構好きな作品です。まず何と言ってもバート・バカラックの音楽が素晴らしい。あとは、007とは無関係な映画として、またパロディ映画だけどパロディ映画と考えないで観れば、これだけの役者が出ている作品はありませんからね。

 こういった映画は、観る側が気分的に余裕がないと本当につまらない映画になってしまいます。

 


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
ピーター・セラーズ   ウルスラ・アンドレス



珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
本作の翌年『ブリット』に出演してマックイーンの恋人役を演じたジャクリーン・ビセットもチョイ役で出演。


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・