珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
幽霊男   監督 小田基義  1954年



ストーリー

 猟奇趣味の画家・津村(山本廉)が病院から脱走した記事が紙面を賑わしていた頃、モデルクラブに加納博士(岡譲司)の紹介状を持った佐川幽霊男と名乗る男がやってきて、恵子(川合玉江)を指名。

 その夜、幽霊男のアトリエで恵子は全裸で殺されていた。そして次の犯行声明が届き、美津子(立花満枝)に幽霊男の魔手が伸びる。さらに数日後、撮影会で貞子(塩沢とき)が殺される。

 金田一耕助(河津清三郎)は等々力警部(清水元)とともに捜査に乗り出すが、モデルは一人、また一人、次々と殺されて行く。幽霊男の正体は・・・。


解説

 講談倶楽部に連載された横溝正史の同名探偵小説の映画化。片岡千恵蔵、岡譲司に引き続き三代目・金田一耕助に河津清三郎が扮する。ダーク・スーツに身を包み、金田一を颯爽と演じるモダン猟奇スリラー。


 やっとDVD化されたと喜んで、本作と明日紹介予定の『吸血蛾』を同時に購入しました。はじめに観た感想を書きますが××です。前にも書いたように、私の金田一像は絶対的に石坂浩二なのでやはりスーツに拳銃の金田一耕助はどうしても違和感を感じます。ですが、この作品を金田一作品と考えず超B級探偵映画と考えて観れば悪くない出来だと思いました。

 では何故××なのか?それは『吸血蛾』も同じですが、とにかく音声が悪すぎで何を言ってるのかさっぱり聞き取れなかったからです。ボリュームをめちゃめちゃ上げて対抗し、何とか聞き取れるようになったと思ったら、音楽が流れるシーンと女の悲鳴だけは物凄く大きな音になります。

 これは東宝作品だけじゃなく昔の日本映画全てに言えることですが、本当に音声が聞き取りづらい。

 黒澤明監督作品のDVDは字幕をつけているので、例えば『七人の侍』の最初の農民の会話も理解できました(ビデオで観た時は全く何を言ってるのかわかりませんでした)。

 同じ東宝作品で、しかも結構値段は高いので当然字幕つきと思っていましたが、見事に字幕なしでした。

 

 映画の内容と関係ない評価をしてしまいましたが、セリフが聞き取れない=内容がわかりづらい、ですので東宝にはもっと頑張ってDVDを作ってもらいたかったです。


 『犬神家の一族』(1976年)で犬神三姉妹の次女を演じたり『病院坂の首縊りの家』(1979年)にも出演していた三條美紀さんの若い頃、また、塩沢ときさんの若い頃(しかもヌード)が観れるので貴重な作品とは言えると思います。


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
三條美紀と河津清三郎



珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
(左)藤木悠