珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
ガス燈に浮かぶシャーロック・ホームズ

小林司・東山あかね   1978年(昭和53年)初版


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・

シャーロック・ホームズ ガス燈に浮かぶその生涯

W.S.ベアリング=グールド

小林司・東山あかね 共訳  1977年(昭和52年)初版



 このブログを初めてすぐの記事「長沼本」 で、日本初のシャーロック・ホームズ研究本は「シャーロック・ホームズの知恵」(1961年)と書きました。著者、長沼弘毅の略歴は1906年東京に生まれ、1929年東京大学法学部卒業。元大蔵次官、公正取引委員会委員長。と、素晴らしい肩書をもったシャーロッキアンの第一人者でした。


 1977年は、日本のシャーロッキアンに二つの大きな出来事がありました。一つは、長沼弘毅が亡くなった年であり、もう一つは「シャーロック・ホームズ ガス燈に浮かぶその生涯」という本が出版された事です。この本のあとがきに、共訳者であり夫婦でもある小林司・東山あかね夫妻が

 「日本でもシャーロッキアンを育てたり、知的遊びの精神をひろめたりするよすがともなれば、と思う。ホームズ研究に興味をもたれたかたは、返信料を添えて訳者に御一報下されば同好会の案内などをさし上げたいと考えている。訳者らが1977年10月から13回にわたって「朝日ジャーナル」に連載するホームズについてのエッセーも併読していただけるとさいわいである。」

 と、読者に呼びかけたのです。この呼びかけに対する反応が凄まじかったらしく、これがきっかけとなり「日本シャーロック・ホームズクラブ」が創立されたのです。

 また「朝日ジャーナル」に連載されたホームズエッセーが「ガス燈に浮かぶシャーロック・ホームズ」として翌年に出版されました。


 その後、小林司・東山あかね夫妻のホームズ研究本は数多く出版されており、集めるのに苦労しましたが、あと数冊を残してほぼ集める事ができました。またいずれ紹介したいと思います。