珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
ロング・グッドバイ  1973年



ストーリー

 それは何か悪いことが起きる前触れだったのかー?ロサンゼルスの私立探偵マーロウは真夜中に腹を空かせた愛猫におこされ、キャットフードを買いにいく羽目になってしまった。彼が刑事に拉致されたのはその翌朝のことだった。友人テリーが妻を殺害し、マーロウがその逃亡の手助けをしているというのだ。のらりくらりと尋問をかわしていたマーロウだったが、突然、釈放される。なんと今度はテリーが自殺したという!釈然としない中、失跡したベストセラー作家の捜査の依頼は受けるわ、変体ギャングのボスからの脅しはあるわ、どうも奇妙な連中に振り回される。だがこの時マーロウは、事件の裏に隠された複雑な人間関係を知る由もなかった。


解説

 『ショート・カッツ』の鬼才ロバート・アルトマン監督が、ハードボイルド・ファンに絶大な人気を誇るレイモンド・チャンドラーの小説「長いお別れ」を映画化。主演は『M★A★S★H』でアルトマンと息のあったコンビネーションをみせたエリオット・グールド。気だるく、しかも一抹の感傷を抱いてさまよう私立探偵マーロウを、独特のムードを漂わせ演じる。(DVD解説より)


 昨日に続きハードボイルド映画の紹介です。今までフィリップ・マーロウを演じた役者は、初代からディック・パウエル、ハンフリー・ボガート、ロバート・モンゴメリー、ジョージ・モンゴメリー、ジェームズ・ガーナー、エリオット・グールド、ロバート・ミッチャムと七人が演じてきました。

 私がこの中で観たのは、ハンフリー・ボガート「三つ数えろ」、ジェームズ・ガーナー「かわいい女」、ロバート・ミッチャム「さらば愛しき女よ」、そしてエリオット・グールド「ロング・グッドバイ」です。

 この4作の中で私が一番好きなのが本作です。原作を読んでる人にはたぶん受け入れられないマーロウ像だと思いますが、エリオット・グールドの飄々とした演技の中に時折見せるタフガイぶり、そして終始気だるい雰囲気で、哀愁を漂わせたマーロウ像は、原作を読んでいない私のマーロウ像に決定してしまったのです。


 
珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
エリオット・グールド


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・