私が使ってる


○○における○○の研究というタイトル


実は↓この本

「人間における勝負の研究」から拝借しておりました汗汗


珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・

米長先生ゴメンナサイm(_ _)m   でもこれからも使わせていただきますニコニコ



さて、この本の著者 米長邦雄 永世棋聖(2003年現役引退)は将棋界最高年齢(49歳11ヶ月)で名人になられた事で有名です。しかも評論、人生相談ほか多方面でも活躍されており東京都教育委員まで務めておられました。


米長先生は、勝負に対する考え方、運の流れのつかみ方などを非常にコクのある語り口で綴っておられ、勝負に携わる人以外にも大変勉強になる素晴らしい本です。



先生の別の本「米長の勝負術」

珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・

この本の中のエッセイで大好きな話がありますので、以下に全て引用します。


人間性もトップ


 実力ナンバーワンを決める名人戦の次のタイトル戦は棋聖戦である。谷川浩司がこれを保持していて、谷川は王将位と合わせて二冠。挑戦者に躍り出て来たのは、やはり本命中の本命、羽生善治であった。羽生は竜王位を含め三冠王。名人戦よりも、こちらが事実上の日本一決定戦だという声もある。

 ところで、6月5日のこと。不幸にして二つの告別式があった。

 一つはタイトル戦が数多く行われる旅館のご主人。もう片方は七十七歳の観戦記者である。

 私は旅館の方へ行き、カミさんを観戦記者氏の方へ代打ちに出した。

 私が行くと、わざわざ神戸から谷川浩司棋聖も出席されていた。

 私はこの態度にいたく感激して、今回の棋聖戦だけはいかに天才羽生といえども、この谷川の人間性に勝利の女神もほれこむであろうと固く信じた。

 今回の棋聖戦は谷川の防衛で決定!!

 

 家に帰って、観戦記者氏のお葬式の様子を聞いてみた。羽生善治さんがお見えになりました、というカミさんの報告であった。

 考えてみれば、八十歳近くの老作家の告別式に行ったところで、未亡人とその後にお付き合いがあるわけでもなし、まして二十二歳の羽生が故人と生前にそれほど深い付き合いがあったとも思えない。

 今後のことで自分に利があるとも思えぬ。行かなかったことを誰に咎められることもなかろう。

 行けば一日が費やされる。金もいくらか包まなければならない。

 しかし、そこへ羽生は行った。

 涙が出るくらい嬉しかった。

 今回の棋聖戦はわからない。