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夫が借金残して倒れた日から

2021年2月、夫は借金を残したまま倒れ、寝たきりとなってしまいました。その後高度障害認定により借金完済。そして2022年6月永眠。いろいろな思いや、生活のこと、お金のこと。忘備録を綴ります



私には趣味で知り合った友人やママ友

幼馴染

同僚

数は少ないけれど
信頼できる友達がいる

もう私は50代半ばを迎え
好きではない友達と付き合う時間は惜しく

マウント取りたがりさんや
人を都合よく利用する方

これらの方たちとのお付き合いをやめた

だから人間関係はノンストレスで過ごしていた

みんな思いやりがあり、大人

彼女たちの辛いことは
できる限り受け止めて、側にいてあげたい

私でいいなら
話はいつまででも聞く

お互いそんな関係で

私は借金のことも、包み隠さず話していた

その度に励まされ
みんな何かしらあるから、お互いがんばろうと

私の孤独感を取り除いてもらうことも多かった


今回のことも

私はまるごと話した
もちろん保険の話まではしなかったけれど
これまで起きた事実は話した

誰かに共有することで
張り詰めた気持ちを和らげたかった


けれど


今回の夫の話は少々違った


どの友達も言葉に詰まって、
ランチの場も空気が悪くなった

みんな一様に、同情と憐れみの表情で
どう言葉をかけていいか、わからないようだった

会社でも、まわりは気を使ってくれたけど

なぜかパートナーを病気で亡くした同僚よりも
気を使わせてしまった

大好きな同僚にも心配をかけていたので
これまでの状況を説明した


同僚から話を持ち出してくれて
私が話しやすい雰囲気を作ってくれた


わたしも少しは落ち着いてそういう話ができるようになっていたし


できるだけ淡々と話した


言葉に衣着せぬ物言いが好きで
彼女と話すのはいつも心地よかった

けれど

しばらく私の話を聞いた後


「ごめん、受け止めきれない」


そう言われた


ガツンと頭を殴られたようなショックを受けた


それは受け止めてもらえなかったショックではない

依存心の強すぎる自分に気づいたからだ

なんでも、どんな話でも聞いてもらえる

そう思っていた、浅はかな自分


友達の話なら
どんなことでも聞くつもりでいたけれど
相手がみんなそうではない


みんなで何時間も話し込むこともあった
笑える話や楽しい話はもちろん

自分の恥ずかしい話や
なかなか人には言いにくい話


でも


私の話は重すぎたのだろう

受け止めきれない

そう思ったのは彼女だけではない


しばらく悩んだ

きっと、もう20年もすれば
パートナーが亡くなったり、倒れたり
そういう話も出てくるだろうけれど

まだみんな40代から50代

子育ても終わり、これから夫婦で楽しもうという年代


私は悩んだ

寂しかった

この寂しさにどう立ち向かおうか悩んだ

みんな大好きな友達ばかりで
これからもお付き合いしていきたい気持ちはある

しばらく悩み

そして、私はひとつの結論に至った


自分から夫の話をすることはもうなかった

みんなその後の私を心配してくれて
声をかけてくれる

その時に私は嘘をついた

「おかげさまで回復して退院したよ
心配かけちゃってごめん」

もうなんでもないことのように
明るく言った


みんなの顔がパッと明るくなった

「よかったね!ほんとによかった」

「心配してたんだ」

「もうどうなることかと思ったよ」


大好きな友達が、明るい表情になって
正直うれしかった

これでいいんだ

大好きな友達だからこそ
私のすべてを受け止めさせるのは
違うのだ

いつの日か

私と同じような状況になった友達がいたら

その時は本当のことを言おう


1人の友達が言った

「その後のこと、なかなか聞けなかった
みんな楽しくおしゃべりしてても
家に帰ればいろいろあって、みんなには言えない事も自分にはある。だからそこは聞かないでおこうと思った」


ありがとう

うわべだけ楽しく過ごすだけが友達じゃないのは
十分承知だけれど

触れないのも思いやりで
受け止めさせないのも思いやり


今のところ、無事退院して復職し
単身赴任をしていることになっている


家では不安に押しつぶされそうになって
夫を思っては泣いているけれど

友達は前と変わらず明るいLINEをくれるようになり
会社へ行けば、こわばる笑顔を向けられなくなった


この状況が、わたしにはストレスがない


今のところは