いつもと少し様子が違うKくんを迎えに、家の外に出た私。
いつもの彼の笑顔を見て少しホッとした。
とりあえず私の部屋で話を聞く事にした。
二人が好きなUB40の曲をかけながら。
何の事はない、いつもの単なる"寂しい病"らしかった。
私も彼に似た所があり、寂しい時はいきなり夜中に電話をして彼を起こしてしまった事も多々あった。
ただいつもと違ったのは…
実は以前から憧れていたロンドン行きを検討し始めたのだと、ポツリと呟いた彼の横顔だった…
一瞬、様々な気持ちと言葉が交差して私の頭の中をぐるぐる巡ったが
「いつから?」
それしか口から出てこなかった。
彼は静かにその華奢な指から少し太めの指輪を外すと、私に差し出した。
「こっちに帰って来るまで預かっててよ。気に入ってるから、向こうでなくしたら嫌やし。」
黙って頷く私の指に、彼は優しくはめてくれた。
彼の手が私に触れたのは、その時が初めてだった。
また連絡するね、おやすみ~ !
いつもの彼らしい爽やかな笑顔で帰って行った。
少し太めのシンプルだが、お洒落なその指輪がカルティエリングだったとは…随分後で知った。
続く…
