芸術のための芸術、と、人生のための芸術、という言葉がある。デュ・プレの晩年は後者を具現するものだったといっていいだろう。アドラーはいっている。天才は何よりも最高に有用な人です。芸術家であれば、文化にとって有用であり、あまたの人の余暇の時間に輝きと価値を与えます。そして、この価値は本物であり、単なる空虚な輝きを放つものではなく高度の勇気と共同体感覚的直感に依存しています。仕事であれば自分の代わりになる人がいることはありうる。自分がいなければきっと職場はたちまちまわらなくなるだろうと思っていたところそんなことはなく、自分がいなくても何の問題なく会社が機能していれば自分の価値について自信を失うということはあるかもしれない。誰もが自分に代われない、ただこの私だけがこの仕事ができると思えるとしたら天職というべき仕事ということになる。対人関係では私の代わりになる人がいては困る。人間が恋愛が好きなのは、恋愛がこの世の中で、自分が代わりがきかない人間だということをわからせてくれる唯一の経験だからである、といっている人もいる。