Dr.Kこと
かずお(偽名)は
笑もしないし、冗談も言わない
つまらない男だと思ってました。

夢や希望を持たせないという
冷徹な部分も最初は嫌いでしたが
その一貫して現実的な考えも
確かに…と思うようになりました

知的発達障害は
過大な期待は落差が激しく
余計落ち込む事になります。
今はできないけど、いつかは…
このいつかは、大体あと垂れません。
ある程度はできるけど
健常児と並ぶなんて期待はやめた方がいい。

これは障がい児を6年育てた私の結論では。

さて、話を戻しましょう。
かずおに心を開いたきっかけですが
とても些細な事でした。

基本健診の際は
てんかん関係なので様子を聞くだけなんですが
かずおはなぜか肺やお腹に聴診器を当てるんです。
慣れるためという事もありますが
多分特に深い意味はありません。

この日もいつものように
「では、もしもし(聴診器)して終わりましょう」
とお腹を出すと
末っ子がかずおの聴診器を引っ張り
両耳から聴診器が頬にずれました。
頬というかほぼ顎

にも関わらずそのままお腹に聴診器を当て

「大丈夫ですね」

と真顔で私に伝えたんです。

いやいや、絶対聞こえてないやつやん!
と看護師さんと大爆笑


他にも検査入の際
泣き続ける末っ子を抱っこするのがめんどくさくて
「笑顔を見せての舞」
を全力で見せている際
様子を見に来たかずおがそっと私の後ろで
私の舞を見てました。
何もせずつったているかずおに
「ちょ先生も一緒にやろ」
と誘うと
全力で真顔で踊ってくれたんです。
(多分なんちゃってよさこいだった気がする)

ほんで2人で爆笑。

私はこの時、
かずおはツンデレなんだと
確信し
心を開き、信頼する事になったのです。

私の信頼するポイントの人とのズレは
ご了承ください。