青い空 青い海 そしてその奥に広がる美しく悲しい世界
「ジュン君、行かないで下さい!貴方様が誰にも知る事のできないところでとても頑張って、良心のままに皆の為に尽くして来たことは誰よりも私は良く知っています。今はその疲れを取るときです。どうかここでゆっくりお休みください」
「ナオミさん。有り難う、お心遣い心から感謝します。でもあの海の遠い見えない彼方の世界で僕を待っている人達がいます。そこには人間不信、貧しさ、そして心から真の愛に飢えている人達がたくさんいて、僕はそれらの人達の力になるために行かなくてはいけないんです。そこでその人達を幸せにする事ができたら、貴女をその近くの美しいサンゴ礁でいっぱいの海に招待します。それまで待っていてくれますか?」
「待ちますわ!」
若いジュンはその言葉をお土産にするようにゆっくりヨットを操り、沖の彼方へと向かいました。
やがてジュンとそのヨットの影は水平線の彼方に消えて行くのでした。
「寂しいわ!でも私は彼を信じているわ。きっと良心の基にすばらしい事をして来てくれるわ!」
ナオミは海辺で涙にくれ、その美しい涙は波に落ち美しい海に更なる清めをもたらしました。
美しい青い空 そして青い海は大きな深い悲しみでいっぱいです。
(ノ_・。)