今はもう廃刊になってしまいましたが、以前アメリカで出版され日本でも翻訳され出回っていた月刊誌だか旬刊誌に「リーダース・ダイジェスト」というのがありました。


 かなり前の事ではありますが、ある病院で順番を待っていた時、混んでいましたので本棚で上記の「リーダース・ダイジェスト」があったので、取り上げて読んでみました。


 その中にアメリカ人の記者の北朝鮮の首都のピョンヤン(平壌)紀行の記事が載っており、行く事ない未知の国という事で関心を持って読んでみました。


 記者はピョンヤンの街中を静かに歩き、「きれいなゴミひとつ落ちていない素晴らしい清潔な街並みだなあ」とすっかり感激し、心静かにて歩き進みました。


 しばらくしてきれいな美しい公園が目の前に現れました。

 「公園も花も緑も良いなあ」とここでも感激でした。


 ふと気が付くと近くに可愛い少年が立っていました。


 「坊や、おじさんが1枚写真撮ってあげようか」


 少年は笑顔でうなずきました。そこで記者は少年をカメラで撮影し「有り難う、さようなら元気でね」と言って別れました。


 記者はしばらく歩いたあと、「さてさっきの坊やはひょっとしてまだこっちを見てくれているかな」と淡い期待を寄せていましがた通った公園の方を振り返りました。


 そうしたら少年は警官に手を引かれ連れ去られるシーンが彼の眼に映りました。


 記者の心の中に大きな悲しみが襲い掛かった事は云うまでもありません。


(´・ω・`)