位牌に戒名を入れる時は

文字彫り  文字書き  手彫り
主に3つの加工方法があります。

文字彫り
位牌に戒名を彫り込み、金箔を入れます。
関西では素掘りといって金箔を入れません、

文字書き
漆で書いた字の上に金粉をのせて文字を完成させます。最近では機械書きと言って金紙を転写する方法が主流です。

手彫り
こちらも漆で書いた字の上から、職人さんが一文字づつ彫っていくものです。最近では腕のいい職人さんがいないのでめっきり少なくなりました。

では、文字を彫る、書くどちらが多いのか?
それは彫りの方が圧倒的に多いのです。
理由はよく分かりませんが、文字書きだと消えてしまうと思われているからでしょう。

なら、文字書きは消えてしまうのか?
答えはNOです。線香やローソクの煤が付いて消えているように感じるのです。これは文字彫りでも同じことです。煤が付いてきたら早めにクリーニングをして戒名が見えやすいようにした方がいいですね。

最後に、文字彫りと文字書きどちらかいいのか?

どちらでもいいと思いますが、お寺様によっては文字彫りを嫌う住職もいらっしゃいます。
理由を訊ねたらこう言われました。
「位牌は亡くなった方そのもの。その位牌に文字を彫り込むことは身体を切り刻むようなもの」
とおっしゃいました。

私個人としては文字書きがおすすめです。
理由は、
やはり文字彫りは刃物で刻むことになります。そうなると位牌の表面にキズをつけることに変わりはありません。時間の経過とともに表面の傷みが早くなるのではと感じています。