こんにちは。五十嵐六花です。

 

だんだんと暑い日が続いていて梅雨明けも間もなくでしょうか。マスクをつけるのが厳しくなってきていますが、予断は許さない状況ですね。

コロナウイルスはいつ終息してくれるのやら…。

 

さて、今回は学生時代から気にはなっていたものの読まずじまいで、やっとのことで手にしました。

 

知念実希人さん『螺旋の手術室』

 

 

 

です。

 

現役のお医者さん作家だそうで、期待大で読み始めました。

帯にも徹夜本、本格ミステリーに、気が付けば朝 のわくわくさせられる文字が並んでおります。

少し複雑だったので徹夜とまではいきませんでしたが、最後はページをめくらずにはいられませんでした。

 

あらすじ

純正会医科大学付属病院の教授選の候補だった冴木真也准教授が、手術中に不可解な死を遂げた。彼と教授の座を争っていた医師もまた、暴漢に襲われて殺害される。二つの死の繋がりとは。大学を探っていた探偵が残した謎の言葉の意味は。父・真也の死に疑問を感じた裕也は、同じ医師として調査を始めるが……。「完全犯罪」に潜む医師の苦悩を描く、慟哭の医療ミステリー。『ブラッドライン』改題。

 

 

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場面は冴木真也手術中の手術室から始まります。単純な手術のはずが出血が止まらず、そのまま真也はなくなります。

本来ならあり得るはずのない術中の死から物語は始まります。

初めは、医療の用語も多いし、冒頭ではわからないのですが冴木一家(父・母・主人公・妹)の確執があってすこしとっつきにくい印象でした。

 

それと「狐憑き」という謎のワードが定期的に出てくるのですが、その言葉が出てくるたびに意識がそっちに飛んでしまって、いらない推理をしていました。

あと、登場人物がやけに多くしかも複雑に絡まりあっている印象を与えてくるので、余計に読み進めにくくなっていたように感じます。

 

ですが、裕也が少しずつ父の死の原因を追っかけていくたびに絡まりあった紐が少しずつほどけていくようで、ついついページをめくってしまうのです。裕也の単独行動(事件を解決していく行動)には、やや強引な印象も受けましたが、医者ならできないこともないのかな?と思いました。じれったい感じは一切なく、裕也の大胆な行動で話はかなりスピーディーに進んでいくので、ついていくのに精いっぱいにもなりました。

 

ベースは裕也目線で話が進むのですが、一部子供目線で語られる場面があります。絶対にこのシーンは大事なシーンだなとわかるのですが、誰の目線で何に関係するのかが全く分からず、時代もよくわからない感じで濁されていたので最後にこのシーンの意味が分かったときには切なくなりました。

 

作者は現役の医師ということですが、ミステリー作家ではありませんか?と(いや、ミステリー作家なのですが)職業をおたずねせずにはいられない方だと感じました。

知念さんの作品は映画化されているものもありますし、ミステリー作家としても非常に素晴らしい方なのでしょう。

また別の作品で、知念ワールドにはまりたいとおもいます。

 

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今回はここまでです。

お付き合いいただきありがとうございました。

 

次の作品でお会いしましょう。

 

五十嵐六花