ヒグマが育てる森 | 未来色スケッチ

ヒグマが育てる森

最近動物園関係の本をよく読んでいるのですが、
いろいろと衝撃を受けた一冊です。
ヒグマが育てる森/岩波書店
¥2,415
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ヒグマと寄り添い、ヒグマのことを知ってもらうために活動されている方の本。
なんというか、常識的に考えたらありえないようなことも
ひょいっとやってのける、ものすごい人。
衝撃的な出来事がいろいろと書かれていました。

私がふらふらと山を歩くようになり、
後を追うように動物園を回ったりするようになって、
おのずと動物のことも調べるようになりました。

正直、山を歩くといっても近場の山くらいしか行かないし、
遭遇する野生動物のことなんて別に知らなくても大丈夫なんじゃ…
くらいに思っていました。

野生動物に出会うことは、そんなに多くはありません。
本格的な登山を始めると、シカやタヌキ、白山ならライチョウやテンなど、
出会える機会もいろいろあるようですが、私のレベルで出会えるものといえば
せいぜい昆虫がいいところです。…昆虫…(涙)

ゆるふわ山のみで人の少ない山にあまり行かないから
野生動物にもなかなか出会わないというのは確かにありますが、
実は身近に野生動物にふれあえる場所があります。

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これはついこの間、3月30日に北海道の円山動物園に行く途中に
会った野生のエゾリスです。
ここのリスたちは人に慣れていて、人を見ると寄ってきてくれることもあります。
(本当はやってはいけないのですが餌でおびき寄せる人も…)

こんな風に野生動物と触れ合える場所があるなんて!と
教えてもらった当時はびっくりしたものです。
リスにさわるといえば動物園のふれあい広場とかリスの森とか、
そのくらいしかないと思ってましたからね。

すぐ近くに道路があり普通に車も走っているし、
生活道路から少し山に向かって歩いていく途中で、決して深い山の中ではありません。
私たちが生活しているすぐそばでも、こうして生活している野生動物もいるわけです。

ちなみにこの円山、時期によってはヒグマも出ます。
小動物探すのに夢中になりすぎて後ろから一撃…なんてことになったらと思うと
ゾッとしますが、ここでふと思うのです。

同じ野生動物なのに、リスは歓迎される。ヒグマは有害獣扱いされる。
それってなんか…うーん。

もちろん、家畜や人を襲ったり人を荒らしたりするのは害としか言いようがないけど、
ヒグマが暮らす森がなくなって泣く泣く里におりてきているというのも
間違いないと思うんです。食べ物がなかったら死んでしまうし。
そりゃ餌を求めておりてきてしまうのもうなずけます。

…おお、書いてることが脱線してきたぞ。

話を戻すと、ヒグマだって悪いことしようとしてるわけじゃなくて、
同じように地球上に暮らしている「いきもの」なんだから、
みんながハッピーに暮らせる方法はないだろうか?ってところです。

ヒグマとうまく共存する、と言葉で書くだけなら簡単ですが、
実際にはとても難しいことで、生態や習性を知ることだけではなくて、
運悪く人里におりてきてしまったクマに学習させることなんかも大事なわけで…
これ以上書くのやめておこう。きりがない(苦笑)
そのへんに興味がある方は今回ご紹介した書籍などをご覧ください。

知床あたりでは漁師さんとうまく共存しているヒグマもいるし、
共存は不可能ではないと思っています。
一部の心ない観光客や登山客が彼らのテリトリーにお邪魔しているっていうのを
忘れてゴミを置いてきたりするなんて、もってのほかですね。
そうじゃなくても、食べるものがなくて探しながら歩いてたら
うっかり人里に入ってた!通報された!なんか捕獲されそうになった…!!
…っていうのがクマの言い分かも。(※すごく適当です)

もちろん今まで山歩きをしていてクマの類に遭ったことは一度もないけれど、
時間や時期が違えばクマが出没するような山も歩いているわけで、
この先絶対に出会わないという確証もないのです。
だから山菜採りのじいちゃんに「クマ鈴だけはつけとけ!」って言われたら
シャンシャン鳴らしながら山入りますよ。うるさいけどね。
でもそれが私が単独行で襲われないためで、クマのためでもあるわけで、
お互いにハッピーになるための手段と思えば安いものじゃないですか。

ヒグマ出没のニュースを聞くたびに、その個体が無事に山に帰ってくれることや、
二度と人に遭わないことを祈ってしまうのでありました。