ある朝いつものように


ゴミを収集場所に置いてこようと


眠い目を擦りながら扉を開けた



あまり開かれていない視界に


飛び込んできたモノがあった


それも夥しい数のモノが・・・



一瞬、思考が停止したが


すばやく扉を閉める行為をとっていた



とにかく訳もわからないまま


扉の穴から廊下を覗いた



見間違いではなく


確かにヤツラは飛び交っていた


(現実なんだ・・・)



いづれにしても外に出なくてはならないのだ


ボクは意を決して外に出た



数百匹のヤツラが飛び交う中


すばやく扉を閉め


階段を駆け降りた


3階から2階・・・1階へと・・・


階数が下がる度に


ヤツラの数は少なくなっていった


4階・5階はどうなっているのかは


考えないようにした



なんとかタテモノから脱出すると


何もなかったかのような


いつもの風景があった


このタテモノの中だけが異常なのだ



いざ出てしまうと部屋に帰りたくなくなった


だがいつまでもこうしているわけにもいかない


まずは対策を練ろう



このタテモノは閉鎖されているわけではないのに


何故かヤツラはここから離れない


まるでババちゃんに集るハエのように・・・



ヤツラをみた記憶をたどると


あまり低い位置を飛んでいる感じではない


攻撃的に襲ってくる感じではない


かといって飼いならせる感じではない



よし! 答えは1つ


とにかく進め! だ!!



まずは玄関口を通過し


ヤツラがほとんどいない1階についた



今度はエレベーターで行こう


その方がボクの部屋まで近い



3階のボタンをポチッと押した



到着し、扉が開くと


視界に無数のヤツラを見た瞬間、怯んだ


急いで閉まるのボタンを押し1階に降りた



やれやれ・・・



覚悟を決め、再度3階へ着くと


態勢を低くしながら扉を解錠し


ヤツラが入ってこないように


すっと扉のなかへ入り込んだ


まるで泥棒のように・・・自分の部屋なのに



・・・



数時間後の外出する際


まず扉の穴から覗くと


飛び交う数が少なかった



これなら行けると


少し警戒しながらも


階段を下りていくと


今度は降りる度に


ヤツラの数が増えていった



極めつけはオートロックの扉に


みっちりヤツラが張り付いていた



離れた位置から


扉のセンサーを反応させて


開いたところで


一気に駆け抜けた



そして最後の扉を押しあけると



そこには自由が待っていた



これでボクは自由なんだ!!!



なんて後のことも考えずに思ってみたりした



                    (完)




その後の話



夕方に帰ってきたときには


まるで何事もなかったように


いつもの表情をしていた


いくつかの残骸を残して・・・




マンションの誰かが


管理会社に連絡し


誰かが処理したようだ




昔、多摩川で餌をやっていたら


どこからともなくハトが


どんどんやってきて、気づいたら


300羽以上(途中まで数えた)のハトに


囲まれたとき以来の恐怖だった



だめ園児のダメログ

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         ヤツラの残骸