CAD/CAM化の利点として、歯科医療から金属修復物を無くしていけることがあります。

実は日本人ほど、口の中に金属修復物を入れている国はいないといわれています。

それは健康保険が金銀パラジウム合金を使う前提になっていたからです。

これは日本でしか使われていない材料で、国策合金とすら呼ばれていました。

しかし金属を口に入れると金属アレルギーを起こす恐れがあります。

また、銀色の詰め物では、審美的にも難点があります。

日本歯科医師会も、金属の代替材料を開発するように提言してきましたが、最近の貴金属への機運が一気に進んだ側面があります。

コンポジットレジンなどの有機材料や、セラミックなどの無機材料などの歯の色とほとんど同じで審美性に優れ、口に中に入れても安全で強い。

削りやすいのでCAD/CAM技術とマッチします。

保険適用によりメーカーも今後、新しい材料をどんどん開発するでしょう。

私は5年後には日本人の口の中の金属を半分以下に減らしたい。

一方で、新しい材料の耐久性についてのエビデンス(証拠)を集め、情報提供していく責任が歯科医師にはあります。