現在はまだ保険適用されていませんが、口腔内スキャナーが普及すればさまざまな可能性が広がります。
たとえば永久歯に生え変わった20歳前後の若者の3次元データをスキャナーで取得し、残しておきます。
するとその人が将来、歯を失ったとしても、もとのデータを利用して治療することができます。学校での集団検診に使えば、むし歯や歯茎の状態などの疫学調査も可能です。
口腔内の情報をデータベース化すれば、災害時の身元不明者の確認にも役立つでしょう。
デジタル化は医療情報の可視化や共有化、医療技術の均質化・高速化などにつながります。さまざまなシミュレーションも可能になり、噛み合わせの評価などにも有効です。
ただし、歯科においてはアナログの部分は絶対になくなりません。そして日本の歯科技工士の技術は世界一です。
優れた匠の技にデジタル技術をプラスすれば世界の歯科業界に進出することが可能となります。
海外からの患者のデジタル情報をインターネットで送ってもらい、日本で加工した入れ歯やクラウンを航空便で送り返す。
そうした時代が必ず来ると思います。