五つの味といわれるものに、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味が挙げられます。

かれらはおもに舌の前方2/3で感覚(鼓索神経支配)されます。

なかでも、うま味(umamiとして世界に通じる)は日本人が発見しました。

これは日本独特の調理法(出汁の文化)が生んだ発見で、代表的なものにイノシン酸(鰹節、魚、肉など)、グルタミン酸(昆布、醤油など)、コハク酸(シジミ、ハマグリなど)、グアニル酸(椎茸、肉)などがあり、舌の後方1/3で感覚(舌咽神経支配)されます。

そのほか、辛味、渋味もあります。

最近では、ヒトは脂肪味を知覚するセンサーをもっているという報告もありました。

日本食では、こうしたさまざまな基本味を噛んではじめて、「おいしい」とか「うまい」という情動を引き起こしてくれます。

そして、味覚はおもに舌で、うま味は喉元で感覚されます。

「ビールは口に含んで、喉元で味わう」といわれましたが、たしかに水と二酸化炭素は、咽喉の奥にある味蕾がよく応答し、味わっています。