尾根幹のゼブラカフェで行われた真夏のヴィンテージ・デローザ ミーティングには、総勢18台の美しいデローザが集合しました。
では、参加された皆さんの愛車をご紹介しましょう。
今回は、フレームエンドに注目して、時代による変遷を見ていきたいと思います。
まず、Part 2では、1960年代から70年代の車をご紹介します。
今回の参加車のうち、最も古いのはFSさんのオールメッキのピストで、1969年製です。
ハートのロゴマークができる以前の車なので、ヘッドマークにはジャンニ・モッタが描かれています。
ピストレーサーらしく、タイヤとフォークのクリアランスが極端に狭いですね。
DE ROSAの字体も、まだ、おなじみのものではありません。
ハンガー裏には、軽量化のために6本の俵型の大きな肉抜きが施されています。室内用ピストなので、プラスチック製のウォーターシールドは装着されておらず、BBの軸が直接見えています。
エンドは当然カンパのピスト用エンドです。
ピストエンドをじっくり見る機会はあまりないのですが、意外に接合部の幅が広く、丈夫な感じですね。
こちらはKJさんの美しい水色のデローザで、73年製です。
この車は、軽量化のためのパーツの肉抜き加工が特徴です。Wレバーは大きく肉抜きされ、バンドまで穴があけられています。このほか、チェンホイールのアームやフロントメカのバンドも肉抜きされています。端面に施されたイエローのペイントが、かっこいいですね。
ハンガー裏の肉抜きは俵型の穴が6本です。これ以後、ハンガー裏の肉抜きはハート形になっていきます。
この時代は、チェーンステーブリッジと後輪とのクリアランスが大きく、ブレーキアーチはラージタイプを使っています。
カンパのロードエンドは、ハブ軸の前後調整幅が長いロングエンドが使われています。
チェンステーとの接合部では、エンドの端面が剣先型に加工されていますね。
THさんのカッパー色のデローザは74年製です。
70年代に入ると、おなじみのハートのヘッドマークが登場します。ハートのロゴも時代によって変わっていきますが、これは、最初期型のデザインです。
この車のエンドも、カンパのロングエンドが使われています。
この車はチェンステーからエンドまでがメッキされていますが、デローザの場合、エンド全体がメッキされているのは珍しい例です。
エンドとチェンステーの接合部に剣先仕上げはなく、シートステーとの接合部も無造作な感じがありますね。
メタリックレッドの塗装が美しいFTさんのデローザは、70年代半ばにデローザの工房にオーダーしたスペシャル仕様です。
ハートロゴが二代目になり、縁取りが太くなりました。ダウンチューブのDE ROSAの文字も大きくなっています。
波型のヘッドラグは、70年代初頭のタイプです。
トップチューブのアウター留めは、丸型のものが2つ直付けされています。このあたりは、量販仕様とは異なるスペシャル仕様です。
カンパのエンドは小型のショートエンドになりました。
この時代には、接合部の剣先仕上げが様式美として確立したようで、この後の時代にも継承されていきます。
IMさんのダークグリーンのデローザは78年製です。
写真ではわかりにくいですが、この時代からフレームのデザインが変わりました。ヘッドマークがハートの下に菱形が付くタイプになり、トップチューブにはスーパープレステージ・トロフィーのエンブレムデカールが付き、シートチューブにもDE ROSAの文字が入るようになりました。
トップチューブのアウター留めが、バンド締めから直付けに変わりました。アウター留めは、このタイプがスタンダードです。
この車も、エンドの剣先仕上げが美しいですね。
鮮やかなブルーのフレームが印象的なFMさんのデローザは79年製で、フレームのデザインは IMさんの車とほぼ同じです。
この時代になると、チェーンステーブリッジと後輪とのクリアランスが狭くなり、ブレーキアーチはショートタイプになっています。
フロントメカは、レアな四つ穴のレコードです。
この車のエンドは、ハブナットの当たり面がメッキ仕上げになっています。このスタイルは80年代以降の車にも踏襲されていくことになります。
Part 3では、80年代の自転車を中心にご紹介します。