師走のヴィンテージ・デローザライド。Part 3では、参加された皆さんの自転車のうち、1980年代の車をご紹介します。
80年代前半から、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブの各々にカラフルなウィング柄が入るようになります。ヘッドマークはシンプルな赤いハートになり、そこにも斜めにウィングが付いています。
中でも、ブルーのフレームにレッドとイエローのウィングが付いたモデルは、当時、デローザがサモンターナ・チームに供給していたことから『サモンターナ・モデル』と呼ばれ、マニアの間で根強い人気がありますが、サモンターナ・モデル以外にも、さまざまなカラーのモデルがありました。
こちらは、ご夫婦で参加されたNYさんのご主人のデローザです。80年代前半の車で、シルバーのフレームにブルーとグリーンのウィングがついています。
NYさんご夫婦は、お揃いのシルバーのデローザに乗られていますが、ご主人の車の方が若干年代が古く、チェンステーがシルバーの塗装になっています。
シートピラーはスーパーレコードの一本締めタイプで、縦溝にはブルーのペイントが入っています。
ジルベルトゥのチューブラーバッグが素敵ですね。
こちらはNYさんの奥様のデローザです。
ご主人の自転車とほぼ同じ仕様ですが、チェンステーがメッキになっている点が異なっています。
シートピラーはスーパーレコードの一本締めですが、ご主人の車とは違って、こちらは溝のペイントがイエローですね。このあたり、デローザがどのように色を選んでいたのか、興味のあるところです。
チューブラーバッグはグレーで、夫婦お揃いでも、ちょっとずつ色を変えているところがオシャレです。
こちらはGKさんのデローザで、メタリックブラウンのフレームにレッドとイエローのウィングが入っています。年代的にはNYさんの車と同じく80年代前半の車です。
GKさんは身長が高く、日本ではあまり見ない580mmのフレームなので、外国人の車のような印象を受けますね。
この車もシートピラーはスーパーレコードの一本締めで、溝のペイントはイエローです。このあたりはウィングのカラーとも合っている感じがします。
さて、ここからは人気のサモンターナ・モデルの登場です。
今回も3人の方がサモンターナ・モデルで参加されました。
サモンターナ・モデルには前期型と後期型があり、前期型は82年〜85年頃、後期型は86年〜88年頃に販売されていました。後期型はトップチューブにDE ROSAの文字が入るといったマイナーチェンジがあります。
こちらはNJさんのサモンターナ・モデルで、前期型ですね。
バーテープもイエローでコーディネートしています。
シートピラーは、スーパーレコードの一本締めで、縦溝にはイエローのペイントが入っています。
87年にデローザの工房を訪れて購入されたそうですが、この車は、チェンステーだけでなく、シートステーもメッキされている珍しいモデルで、あまり見たことがない仕様です。このあたり、同じ時代でも、いろいろなバリエーションがあるようですね。
コンポは、90年代半ばのレコードを使っています。
シートピラーも90年代のレコードですので、もうエアロパーツになっており、溝などはありません。
トップチューブに、ウーゴ氏のサインが入っていますね。
こちらは、FIさんのサモンターナ・モデル後期型です。
チェンステーは塗装で、ウーゴ氏のサインは無く、こちらの方がよく見る仕様です。コンポはCレコの時代になっています。
シートピラーもエアロのCレコを使っています。
この車はシートステーキャップのDE ROSAの文字が縦組みになっており、上のFMさんの車より年代が新しいことがわかります。
KHさんは、35周年記念モデルで参加です。88年の車ですね。
コンポはCレコですが、ダークグレーのアルマイト仕上げでウーゴ氏のサインが刻印されているスペシャル仕様になっています。
シートピラーはエアロのCレコではなく、コーラスが使われています。おそらく、Cレコだとピラーの扁平になった部分までフレームに埋まってしまい、シートピンで締められないからではないでしょうか。
オシャレな革製のチューブラーバッグはオーダーメイドだそうです。
こちらはMYさんのデローザで、89年頃の車です。
この時代からフレームのデザインが一新され、ウィングのデカールは無くなって、シンプルになり、ヘッドマークも変わっています。
この車は、Cレコではなく、スーパーレコードのコンポを使っているので、クラシカルな印象がありますね。
シートピラーは、溝のないレコードです。
このあたりもクラシカルなパーツをうまく使っています。
こちらは、ご夫婦で参加のTSさんの奥様の車で、年代的には上のMYさんの車と同時期ですが、コンポはデュラエースで、エアロリムを使うなど、かなり印象の違う車に仕上がっています。
このあたり、オーナーさんの個性が出て、面白いですね。
この車のシートピラーは、ヴェロオレンジのもので、ピラーの長さを確保するためにこのピラーになったそうです。
Part 3では、90年代以降の車をご紹介します。