80年代に流行ったホイチョイ・プロダクションの『見栄講座』という本をご存知でしょうか?
アラカン世代には懐かしい名前ですが、それより若い世代はたぶんご存知ないでしょう。私も先日、偶然この名前を耳にして、忘れていた記憶が急によみがえってきました。
この本を一言で紹介すると、女の子にモテたいミーハーのために、テニスやスキーなどが(格好だけ)上手そうに見える方法をイラスト入りで指南するという本です。バブル前夜の軽薄な80年代カルチャーを象徴するような本ですね。『講座』と言いつつ、当時多くいた見栄スキーヤーなどを揶揄するジョーク本で、『いるいる、こういう奴!』と笑いながら読んでいたのを思い出します。
当時学生だった私は、サイクリング部の仲間と『ロードレーサー見栄講座』を作ろうという話になり、簡単に本格派レーサーに見える方法をいろいろ考えました。
我々が見つけた見栄レーサーのポイントはこんな感じです。
・コットンのバーテープの端にビニールテープを巻く。
・クランクキャップをはずす。
・タイヤのバルブのキャップもはずす。
・トーストラップは ねじって入れ、ストラップエンドを付ける。
その他、レーサーキャップのつばを後ろにしてかぶる。とか、人通りの多い所では真剣に走り、人がいない所で休む。というのもありました。
でも、残念ながらこれだけやっても女の子にモテた記憶はありません。(笑)
(当時は自転車そのものがマイナーな存在でしたが、今だったら、モテる見栄ロードバイクとかあるのかもしれませんね。)
学生時代に作った私のホルクスを見てみると、
バーテープの端にビニールテープ。
クランクキャップをはずし、
バルブのキャップもはずし、
トーストラップはねじって、エンドをつける。
35年経った今も、見栄講座を忠実に実践してますね。(笑)
さらにヴィンテージ・レーサーマニアに見られるには、昔のレプリカジャージにレーサーキャップは洗濯して色褪せたものをかぶるとか、店でウンチクを語るというのも加わります。『クレメン・クリテリウムの乗り心地は・・・』など、消滅してしまったブランドを懐かしそうに語れば完璧です。
あ〜、なんだか私も『いるいる、こういうオヤジ!』と笑われているような気がしてきました。