「どうして、よりによって誕生日だったのかしらね……」


 エマは悲しそうに目を伏せる。
 神様は残酷だ。


 そんなこと、私は全く知らなかった。
 あぁ―――私もあの日の記憶が蘇ってきた。


 あの日は家族で遊園地へ行った。
 帰りにレストランに寄って、父は飲酒した。
 そのまま、魔法の絨毯に乗って―――衝突事故に。
 強い衝撃を受けた途端、地面に落下して行って―――。
 体がふわりと浮いている感覚だった。
 地面に強く体を打ち付けられたが、私は無傷だった。
 だが……となりに倒れている両親は意識がなくて。
 呼びかけても、意識が戻らなくて。私は泣き叫んだ。
 またその隣には、事故に巻き込まれた、相手の夫婦が横たわっていた。
 まるで苺を潰したような、真っ赤な鮮血が……ぱっくりと割

れた頭から流れ出ていた。
 四肢は本来なら、向いてはいけない方向に曲がっていた。


「あ……あ……!」 


 思い出したくない、嫌な記憶だった。

 息苦しくなってきて、皮膚がざっと粟立ち、体が強張った。


「両親はまだまだ、やりたいことがあったのよ! お店をもっと広げて、多くの人に商品を買ってもらえるよう、努力していたのに……!」


 お店? 商品……?

 エマの両親は、何の商売をしていたのだろうか。

 ミカズータ……あ! 私は思い出した。


「ま、まさか……エマの両親って!?」


「そうよ! そのまさか! パパは”キラムーン”の社長で、ママは秘書だったの!」


 ―――”キラムーン”。

 幅広い年代向けの、大手ファッションブランドだ。

 いつも流行を取り入れていて、この魔法界でトップクラスの人気を誇る。

 確か、私もこのブランドの服を数枚持っていたはずだ。


 私は”キラムーン”の創立者が、「ミカズータ」という名前だったということを、薄々と記憶していたのだった。


「そのおかげで、たっぷりと残された遺産があるわ。お金には困らないし、権力だってまだまだあるわ! 勿論、このあたしにね!」


 何だか、嫌な予感がした。
 悪寒が走り、汗が毛穴という毛穴から、どっと吹いた。



 

予定外の回想シーンw

あぁ、やはりグロが入ってしまったw

 目はあるが、目玉が無く、そこだけぽっかりと空洞になっている。
 その上、そこからどす黒い血が、だらだらと流れていた。
 顔から血の気が失せて、青白くなっている。
 まるで、死人のようだった。

「あなたの目玉を……ちょうだい……」

 蘭は掠れた声で言い、手を伸ばしてきた。
 それは悪夢のような光景だった。

「――――――っ!」

 蓮は言葉にならない悲鳴を上げ、その場から逃げ出した。
 野良犬から逃げてきた時のように。
 だが、実際の蘭は野良犬よりも恐ろしかった。
 命の危機だと、体が教えてくれていて、いつもよりも早く走れているような気がする。

―――どうして、蘭ちゃんがあんなことに……!?

 最初はあんな顔じゃなかったのに、と思いながら逃げ続ける。
 だが、何百メートル走っても、レンゲ畑しかない。


「目玉を……目玉をちょうだい……!」

 蘭はそう叫びながら、追いかけて来ている。
 蓮は走る足を速めた。

 約一キロメートル走ったところで、蓮の限界は近づいていた。
 野良犬から逃げてきたため、消耗が激しいのだ。
 一体、どこまでレンゲ畑が続くのだろうか。

 そして……蓮は悟った。
 レンゲ畑は迷宮入りなのだと。
 つまり、このレンゲ畑からは抜け出せないのだと。


「わぁっ!」

 とうとう、小石に躓いて、前のめりに倒れてしまった。
 そこに蘭が、しめた、というようにやって来る。

「やっと目玉を……目玉を……!」

 蘭の顔は恐ろしいものだった。
 目がぐちゃぐちゃに潰れていて、血に塗れている。

「うわああああああああああああっ!!」

 蓮は命の危機を感じ、恐ろしくて鼓膜を突き破るような、凄まじい悲鳴をあげた。
 蘭はそれを気にせず、ふふふ、と狂ったように笑いながら蓮の目に手を伸ばし―――

 ”グチュウウウゥゥ”と嫌な音をたてて、蘭は蓮の目玉を鷲掴み、抉り取った。
 そして、その目玉を自分の目にはめ込んだ。
 元々自分の目玉だったかのように、ぴったりとはまって馴染む。

「これよ……これが私の目玉……!」

 蘭は異様に口角を吊り上げて笑った。



 後日、蓮が目玉が抉りだされた、変死体となって道ばたで発見された。
 蓮の通っていた学校の全校生徒が葬式に出席し、ニュースでも取り上げられた。
 その翌日、蓮の通っていた学校の、蓮と同じクラスに 転校生がやって来たという。
 転校して来たのは蘭という少女だ。
 漆黒の瞳と長い髪の持ち主で、レンゲ草が好きらしい。
 漆黒の瞳は、蓮と似ていると噂になった。

 以後、目玉が抉りだされた変死体が見つかることは無くなった。
 蓮が最後の被害者となったのだ。

「ハズレがいっぱいあったけど、自分の目玉が戻ってきて良かった……」


<了>

まぁ、当初のストーリーはこんな感じです。

(今も変わってませんがw)

本来ならこれで終わりなんですが、

オマケ的な続きを書こうかなーと思ってます。

余裕があれば、の話しなんですがww

これだと、最後が意味わからない人がいてるかもなんで

さーテス勉しなきゃ…

今日は社会やってます…頭パンクしそう^^;