ポイントは動線です。わが家では、「着替え動線」と「洗濯物動線」の生活動線を考慮した間取りにしました。これが一番重要かもしれません。

 

まずは間取りの構造を簡単に説明します。

 

小さな玄関ホールは、階段と、トイレ、洗面所、「クローゼット部屋」への各ドアに面しています。

このうち階段を上がると、二階にはリビングダイニングとキッチンがあります。トイレはよくある「階段下」、洗面所(兼脱衣所、兼洗濯機置き場)の奥は浴室です。

 


ポイントとなる「クローゼット部屋」は一階の中心に位置します。6畳弱の広さで、三面にハンガーラック(バー)があり、うち二面(二本)には服が吊るして収納してあります。残り一面(二本)は一時的に洗濯物を吊るすためのもので、外で干す前後に使うほか、室内干しにも使います。ハンガーラックのない面には小さな窓があり、部屋中央の2畳ほどの空間が着替え場所です。

 

その奥に寝室があります。そして、寝室のクローゼット部屋に近い側にある掃き出し窓の外が物干しスペースになっています。

 

次に本題の動線です。

 

着替え動線

このように配置した理由はまず、「着替え動線」を発見したからです。自分たちの行動を振り返ったときに、外出前後に着替える生活動線があるとわかりました。

 

そこで「クローゼットは寝室の中・奥にあるもの」という思い込みを捨て、「着替えスペースを兼ねたクローゼット」を寝室の手前に持ってきたのです。

  • 起床時: 寝室 → クローゼット部屋(最小限の着替え) → 二階のリビング・キッチン
  • 外出前: 二階 → クローゼット部屋(着替え、上着を着る) → 玄関
  • 帰宅時: 玄関 → クローゼット部屋(上着を脱ぐなど) → 二階のリビング・キッチン

    ※洗面所やトイレにも立ち寄りますが、いずれもクローゼット部屋に近い。

 

洗濯物動線

 

もう一つ、「洗濯物動線」も重視しました。脱いだ衣類を洗濯機に入れるところから、乾いたものを収納するまでの作業動線です。

 

そして、衣類の収納場所を分散させず、クローゼット部屋内でほぼ完結するようにしました。例外は、洗面所やキッチンに置くタオルなどだけです。
 

この一連の「洗濯物動線」を、「クローゼット部屋」を中心にコンパクトに収めました。

  • 夜の入浴時: 洗面所(=脱衣所、脱いだ服を洗濯機へ。夜中に洗濯)
  • 翌朝: 洗面所(洗濯機) → クローゼット部屋(ハンガーなどに吊り下げ) → 物干しスペース
  • 夕方: 物干しスペース → クローゼット部屋(ハンガーラックや引き出しに収納)

    ※洗面所から玄関ホールを経てクローゼット部屋まで、10歩足らず。
    ※クローゼット部屋から寝室を経て物干しスペースまで、4,5歩。

 

とはいえ、間取りの条件次第で、この動線はさらに短縮する余地があります。わが家では実現しませんでしたが、ランドリールームがあって、そこから外干しスペースに出られるならシンプルです。さらに「クローゼット部屋」がランドリールームに隣接していると良さそうです。

 

良かった点 3) 「着替え動線」と「洗濯物動線」を考慮した間取りにする

 

以上で「小さな一戸建ての間取り」はおしまいです。何かのヒントになればうれしいです。