こんにちは

龍妃花ですおとめ座ピンク薔薇

 

 

この物語 「十三の龍の封印を解く」 は、
なおこと龍たちの 神秘的な冒険 を描いたファンタジーです。

ぜひ、リラックスしながらお楽しみくださいね! ☕🍰

 

🌟 最初から読みたい方はこちら! ↓

 

 


🐉「この物語の始まりを、さらに楽しんでいただけるように少し整えました。」
初めての方も、もう一度読みたい方も、ぜひこの世界に浸ってくださいね!

 

 

📖 前回までのあらすじ

封印された十三柱の龍。そのひとつ 白龍 を解放するため、

なおこは試練の神殿へと導かれた。

 

試練の湖でなおこは 己の心の影 と対峙する。
恐れ、不安、孤独――白龍の封印を解くためには、

それらを超えなければならなかった。

 

 


 

第6章 白龍の試練

──光と闇の交錯する空間。

 

 

 

 

 

目を開けた瞬間、なおこは息を呑んだ。

光と影が交錯し、見渡す限りの虚無が広がる。

 

音がない。風すらもない。ただ、空間が歪んでいた。

足元には、緻密な文様が光を帯びながら広がっている。

 

 

その中央に、白龍がいた。

だが、それは今まで見ていた白銀の石像ではない。

 

目の前にいるのは、長き封印を解かれた “真の姿” 。

その瞳がなおこを見据えた瞬間、彼女の心臓が強く脈打つ。

 

「……ここは?」

 

言葉を発したつもりだった。

だが、それすらもかき消されるような静寂が、世界を支配している。

 

──その時、白龍が口を開いた。

 

「なおこよ。」

 

その声は、雷鳴のように低く、深く、魂の奥まで響く。

 

「汝が我を目覚めさせたのか。」

 

なおこは喉の奥が詰まるような感覚を覚えた。

 

白龍の目には、試すような光が宿っていた。

 

「目覚めし龍には、試練が課される。」

 

一瞬の沈黙。

 

次の瞬間、空間全体が激しく揺れた。

まるでこの世界そのものが、白龍の言葉を受けて目覚めたかのように。

 

「汝の覚悟、示してみよ。」

 

──試練の刻、始まる。

 

光の紋様が弾けた。その瞬間、世界が崩れた。

 

──なおこは、落ちた。

 

 

足元が崩れ、視界がぐるりと反転する。目の前には無数の光が走り、まるで星々の狭間を滑るように、

彼女は落ちていく。

 

そして。

 

静寂。

気がつくと、なおこは水面に立っていた。

透き通る湖の上。

鏡のように静まり返った水面には、己の姿が映し出されている。

だが、その姿は彼女の知るものではなかった。

 

 

 

 

──水面に映る少女は、なおこ自身。

しかし、その瞳には光がなかった。

 

「……お前には、乗り越えられない。」

声が響く。

 

「お前は、一人だ。」

胸の奥が、ひどく冷たくなる。

 

──違う。

そんなはずはない。

 

だが、足が動かない。呼吸すらも苦しい。

 

 

水面に映るなおこは、ゆっくりと彼女を見つめる。

 

「過去のお前は、何もできなかった。」

 

頭の奥で何かが裂ける。

「これからも変わらない。」

 

── 光が揺らぐ。

 

白龍の試練ではなかった。

これは、自分自身の心が生み出した「恐れ」だった。

目の前のなおこが静かに笑う。

 

 

それは、なおこ自身が捨て去ることのできなかった不安。

「お前に、この試練を超えられるはずがない。」

 

 

 

 

 

 

──なおこは、拳を握る。

「違う。」

声が震えた。

「違う……!」

 

水面が揺れる。

なおこの内側から、熱が込み上げる。

彼女の中に渦巻いていた恐れが、怒りに変わる。

 

「私は……変わるんだ!負けない!

来るがいい!誰も私の邪魔はできない!

 

絶望になんて屈しない!過去の自分を否定するためじゃない、未来の自分のために!

 

私は、戦い抜く!

この魂の叫びを、試練の果てまで轟かせてやる!」

 

水面に映る影が歪み、なおこの体から青白い輝きが放たれる。

まるでその輝きが闇を貫くように、水面が裂け、波が激しく渦を巻いた。

 

 

── なおこは、自分の“恐れ”を超えた。

 

それは、彼女の魂が過去世から抱えていた願いであり、

同時に背負い続けてきたカルマでもあった。

 

その瞬間。

天から光が差し込んだ。

 

 

 

 

──試練、突破。

 

水面が光に包まれ、なおこはゆっくりと意識を引き戻していく。

気づくと、彼女は再び白龍の前に立っていた。

 

眩い光の中、龍の瞳が静かに開いた。

 

「汝の心、確かに見届けた。」

「ならば、我が力を授けよう。」

 

 

その言葉とともに、白龍の身体が光に包まれる。

圧倒的なエネルギーが空間を満たし、なおこの手のひらに真の紋章が刻まれた。

 

── 白龍の力が、なおこに宿る。

 

 

 

 

 

 

 

📖 次回予告 

すべての試練を乗り越え、なおこはついに 白龍の覚醒 を迎えた。
しかし、それは 新たな使命・運命の扉 を開くことでもあった。

 

白龍が語る「鍵の存在」。
残された 十二の龍 、彼らの封印を解くためには、..........