得体のしれない
昔、ホテルのチェックアウトの時間を1時間前に間違えてて、キーを返した後に「チェックアウトの時間10時じゃなくて11時だけどね」って割と耳の近くで言われた時、ざーっと鳥肌が立って、兎にも角にも今日を無事に終えたら先のこと考えよう、と思ったことがあった。その日はやること盛りだくさんで、ハプニングもあって頭パンクしそうだったけど、とにかくもうその日を穏便に過ごすことしか考えてなかった。それさ、間違えてるって思った時に言えばよくない?って話なんだけど、その場でそれを言わなかったのは、その鳥肌の感覚を信じたから。あ、もう無理だな。分かり合えない。とりあえず穏便に1日を過ごそう、と。その日は本当にいろんなことがあってとにかく長く長く感じた。最後の最後に投げやりになったんだけどとりあえずその日を穏便に過ごし、その後今に至る。まあね長い旅路の中で疲れもあるだろうしイライラすることもあると思うよ。お年頃的なこともあったかもしれない。でもねーじゃあ疲れたからそれやっていいのかってなると違うと思うしそれほど嫌ならなんで今ここに?って疑問だし。頭の中ぐるぐるしたけど、とにかくもう心のシャッターは完全に降りていた。マイナスのストロークってことなのかもだけど昔そういう雰囲気の中に生きてたことがあってその旅は始終その雰囲気を纏っていたと最近気がついた。あの時感じたあの気持ち悪い感覚をやっと言葉にできた。得体の知れない悪意、という感じ。まああそこまで憎悪に近い悪意を感じたことはその後ないんだけど、この間その夢を見て思い出してしまった。いやー怖かったなー。