日本のような
NYのような
ゴッサムシティのような
スラムのような
ゴミゴミしたのとか、
退廃した部分と
近未来的なビルとが
ごちゃまぜな街中の
道路の端に
わたしは立っていて
喧騒の中
Princeが
コンサートライヴをやるという
うるさい街中の
人の喋り声の中で
それを聞きつけて
電器店のウインドー越し
映像に眼を凝らし
スピーカーに耳を傾け
新聞を広げてる人に
割って入り
タブレットを駆使して
どこで行うかもわからないのに
チケットを手に入れようと
タブレットの画面を
Princeに会いたい
会わなきゃ、と
焦って
焦って
スワイプして
△席22.000 sold out の赤字に
また
焦って
スワイプして
スワイプして
3階席8000 ならまだある！とか
＄なのか￥なのかも
わからないけど
そんなのは全然気にしないで
でも混乱しながら
たぶん
コンサート会場に行くであろう
バスを待ち
程なく来た
大きなバスに乗り込んで
後ろの席の窓側の隅に座る
すぐさま、
あとからあとから
外国人ばかり乗ってきて
(ということはやはり日本ではなく？)
きゃー、せまーい
と思ったら
隣に座った男の人が
私がギュウギュウになってるのに
気づいて
自分の左二人目の
足を拡げて場所を取る座り方をする
長い足の男の
その組んだ足を
みるなり蹴っ飛ばして
おい、そんなに場所とるな、
もっとそっちに行ってくれ！と
怒ってくれて
わたしのスペースを確保してくれた。
ここらへんで目を覚ましたが、
バスを待ってる時か
降りた時か
PrinceのママとHugをした。
今もご健在かどうかは
わからないけど
見たことも会ったこともないし
夢だったから
抱きしめた人が
ママ本人かは
よくわからないけど
夢の中のわたしは
Princeに会いに行くんだという
淡い期待があって
でもPrinceのママの胸には
どことなく哀しさがあって、
どことなく哀しそうな
ママをHugして
慰めた。
目が覚めて強烈な哀しさ。
Princeのコンサートライヴが
行なわれることはもうない。
悲しい
あなたを想っているよ、
どうか安らかに
God
Prince
1958.6.7 〜 2016.4.21