先週、とあるスポーツクラブでの nani Aloha レッスン。
セッティング後、スタジオ入口でお客様をお迎え。
いつも来て下さるAさん。
「こんにちは~」と私。
いつものように足を止め 「お願いします」 とAさん。
「はーい、お願いしまーす」 と頭を下げた私の眼に映ったのは
赤みを帯びて腫れあがっているAさんの手!!
よく見ると、腕や足にも大きなあざや腫れが。
「どうしたんですか!?」
「実はね・・・」
なんでも、
道路を渡ろうと道の端に立ち、
右から来る車が通り過ぎるのを待って
さあ、と歩き出した途端!
ドン!!!
左から走ってきた自転車に当てられたそうな!!
その衝撃と痛さに声も出せずうずくまるAさんに
その人は、すみませーんと声を掛けただけで、
自転車に乗り立ち去ってしまったと言う。
付近に誰もいなかったので、
仕方なく一人でよろよろと家に帰ったそうだ。
その自転車は、逆走した上、人にぶつかり、要救護者を放置し逃げた。
立派な人身事故である。
警察に届けを出し、
目撃者情報を募る看板を設置してもらうべき!と私。
しかし、そんなことはしたくないとAさん。
事故から2日、まだ腫れや痛みが残る足や手・・・
「今日はお休みされて、まずはお医者様にかかり、
家で安静になさって下さい 」 と申し上げたが
「家で2日も安静にしてたし、大丈夫なよう。
無理な動きはしないからレッスンに参加させて。」と言う。
何度かお願いしたが、Aさんの答えは「大丈夫」
医者にかかってないことがひっかかったが
● 辛い動き・痛みが生じる動きはしない、
● 無理と感じたらライン(列)から下がって座って休むこと
・・・を約束し、レッスンの参加を許可した。
レッスン中、何度か声をかけ確認を取り、
自分なりにレッスンを楽しみ、
「先生、ありがとう。今日はごめんなさいね。」と
笑顔でお帰りになった。
何日か経って、
そのときのAさんの行動は
事故のショックのものではないか、と考えた。
ありえない衝撃を受け、
心の安らぎを、人、自分の気のおける仲間を、
そして、【日常】を求めていたのではないかと。
ほぼ毎日来てるスポーツクラブ、
そのお仲間に、
こんなことがあったのよ、と話をしたかったのでしょう。
話をし、【日常】にいることで、
気持ちの整理もついていったことでしょう。
心が求めていたんですね。
ただ、スポーツを楽しむ場所ではなく、
日常ではあるが、
非日常にも楽しむことができ、
その気があれば、友達だって作れる。
Aさんは70代。
スポーツクラブを利用され、そこでのコミュニティを楽しんでいる。
高齢化が進む今、
スポーツクラブが担うコミュニティの在り方とは?
そこには、これからのスポーツクラブの在り方もあるように思えます。
その自転車を急いで走らせたのにはわけがあり、
家に帰って、ふと、あの時の人大丈夫だったかしら?
やっぱり悪かったなあ・・・
そんな風に思ってくれてればいい、
と、警察に届けなかったAさん。
どうぞお大事に。