とある晴れた日の午後。
某スポーツクラブのレッスンを終え、
電車に乗る。
3人掛けのイスに、ワタシと老夫婦。
となりに座るオジイちゃんは、
なんていうか、
人と違う時間が流れ、
違う景色が見えているような、
そんな感じの人だった。
時折、オバアちゃんがひと言、ふた言
話しかけていた。
電車が動き出し、寝そうになった時・・・、
ぷ~~~~ん と、
鼻につくニオイ?
( えっっっ !? )
動転する。
眠気ぶっ飛び。
と、同時に、
ドアの前に立っていた、高校生のグループも
騒ぎ出した。
「 くっっせーーーーー!」
叫びたい気持ち、よくわかります。
でもオトナだから、言わないよッ。
しかし、
それはソレは、
もう!
脳にくるクサさ!
( オジイちゃん、間違えちゃったか!? )
高校生がオジイちゃんをチラ見…
( そうなのか !? )
そのニオイは、だんだん強く
そして、車両全体に充満されていく。
( ような気がした )
なんだか、やたらドキドキしてきた。
ひとつ目の駅に到着。
ドアが開き、
乗って来る乗客の中から、
「天然らしいから・・・」との会話が。
( あっ、そういえば )
電車が動き出して、程なく、納得。
駅の近くに天然温泉の幟がはたはた。
スーパー銭湯の、温泉のニオイだった・・・
でもなんだか、
いわゆる硫黄とか、
ゆでたまごのニオイと
似てるようで違う。
( …オジイちゃん、疑ってゴメンナサイ。 )
それ以来、
この電車で、ココに近づくたびに、
ドキッとして、
( ワタシじゃありません! )って
つい目が泳いでしまう。
そして、
向かい側に座っているアノ見知らぬ方も、
ナニゲに、左右確認…。
刺激的?な温泉臭。
実際にお湯に浸かったら…、
どんな???
