営業回りをして、
少し遅めに昼食を取ろうと適当に定食屋へと入った。
今朝は、ろくに食べることなく家を出たため、
ずっと空腹を我慢していたのだ。
注文して待っている間、ユノはぼんやりと先日のことを考えていた。
どうしてあんな状況になったのか、
酔っ払っていたユノはその経緯を思い出せない。
目が覚めた時には
すくそばにジェジュンの顔があったのだ。
そして、思わず驚いて離れようとした時に
手が繋がれていることに気がついた。
あまりに予想外なことが起こったため
数秒間、繋がれた互いの手を見つめてしまったほどで
けれどそれからはジェジュンを起こさぬように部屋を出た。
あの日から、ジェジュンの顔がまともに見れないでいるし
ジェジュンもどこかユノにたいしてよそよそしい。
「お待たせいたしました」
そんなことを考えているうちに運ばれてきたものを
また、ぼんやりとしながらユノは口に運んだ。
いや、今まで通りでいることがきっと一番良いのだろう。
そもそも、変に意識するからおかしな話に感じるだけで
男同士、雑魚寝なんて無い話じゃないんだから…
そこまで、あーだこーだと
ご飯を搔き込みながら勢いで結論づけたところで
意識するってなんだよ、とユノは自分に自分で突っ込みを入れる。
そのまま何ヶ所か回ってから
いつもより早く帰宅すると
ジェジュンが丁度、風呂から上がったところだった。
「あ…おかえりなさい」
「……」
「……あの…」
いつも通りなんて言ってたのは誰だ、と
風呂上がり、まだ濡れた髪で立つジェジュンを見て
何も言えなくなる自分に呆れた。
「ジェジュン」
「な、何」
「あのさ…この間…」
「酔っ払ってたから」
「へ?」
ユノがどうにかこの戸惑いを晴らそうと話出すと
ジェジュンがそれを断ち切るように
珍しく声を張った。
「ユノは酔っ払ってて、だから…だからああなっただけで
べつに…だから、その…」
目の前で、言い出したはいいが
どうしていいか分からなくなっていくジェジュンを見ながら
昼間に自分がぐるぐるとしていたことを思い出す。
「空回ってんな、俺ら」
「え」
「ジェジュン、べつに何てことないだろ」
「……」
「お前の言う通り、俺が酔っ払ってただけ、それだけだろ?」
「う、うん…」
「そういうこと。じゃあ俺も風呂入るから」
結局、適当に終わらせようとしても
空回りしているのは変わらないな、と
風呂場へと向かいながらユノは自嘲するように笑った。
何故、こんなにも急に心がざわつくのか、と。
心臓が自分のものじゃないくらい跳ねて痛かった。